これは、私だけの特権なのかもしれない。
「きゃー。レン様っ!」
「レンくん!!こっち向いて〜」
クラス中に黄色い声援がひっきりなしに飛び交う。その言葉に一々ウインクしたり近寄ったりするレンもレンだけどね。
「レディ、今日は俺をどんなふうに楽しませてくれるのかな?」
浮わついたあの笑い。ヘラヘラした態度にはもう慣れた。でも、私は知っている。あれはほんとの笑いじゃない。心の底から笑っていないってことにね。
『(よくも、まああんなセリフぽんぽんと言えるなあ)』
はあ、とため息をつきレンを見ている。
「俺の顔に何かついてるかな?なまえ?」
つかつかと歩み寄ってくるレンにまたもや「レンくんいかないで」などとたくさんの声が漏れる。
『(人気者はつらいね〜。)別に何も付いてないよ。』
「なら、どうして俺を見ていたのかな?」
『神宮寺様はモテモテなんだなと思いまして』
嫌みまじりに言う私に
「それは俺に対する嫉妬でいいのかなあ?」
と言う言葉が返ってくる。一体どうすればそんな安易な答えが思い浮かんでくるんだろうか。
『レンに嫉妬って、幼馴染みに嫉妬してどーすんのよ』
そう、家の事情でわけあって毎日のように遊んでた私たち。私の親が居ないときはレンの家に、レンの親がいないときは私の部屋にということになっていていつしか幼馴染みとゆう関係になっていた。この学園に来たのも私の親がレンくんと一緒がいいでしょといって勝手に手続きをされたとゆうわけ。昔はこんなに女の子に絡んだりしなかった。仲のいいのは私だけなんて自惚れてたけどそれはここに入った事によって書き消された。だからなるべくレンには必要以上絡まない。
『ねえ、レンそろそろ向こう戻ったほうがいいんじゃないかな?』
指を差せばそこにはさっきまでレンと話してた人達が私たちを見ている。
あいつに特別なんて言葉は存在しない。今まで特別なのは私だけだと思ったのにそんな感じもまったくない。
「俺はいかないよ。」
『はっ?』
全体がえっ、と言う空気に包まれる。それはそうだ、いままでにこんなことはなかったのだから。
『ちょ、いみわからないよ』
「意味のわからないのは君の方だよ」
「えっ?私レンに何かしたっけ?ちょ、ごめん、私行くわ」
空気に耐えれない私はこの場からどうしてもにげたかった。なにより女子の視線をこれ以上浴びるのはいやだ。
「その態度だよ。」
後ろを向いてドアに向かおうとするとガシッと手首を捕まれる。それに反応して後ろを振り向くとこんなレンはじめてみたってくらい真剣な姿があった。
『…』
「なまえはなんで俺を避けるのかな?」
『避けてなんかないよ…』
「避けてるだろ、目も合わさない。やっと喋ったと思えばすぐどっかいくし。」
髪の毛をかきあげながら言う。そんなレンに少し心臓が揺らいだ。
『う…ごめん…』
理由を言うのが恥ずかしくうつむいたまま謝るしかなかった。
「(へえ、なるほどね)理由、早く聞かせてよ」
何を思ったのかレンはニヤニヤしながらこっちを見る。いや、私にはわかる。こいつのこの顔絶対に変なこと考えるに決まってる。
『ぜっっっっったいに嫌』
「はあ、その頑固さ昔からかわらないね。」
『う…うるさい!』
「(はあ、それじゃあ)」
『///』
私の耳元でぼそぼそと囁くレンに顔がみるみる赤くなるのがわかった。
「言ってくれないなら、キス、しちゃおーかな?」
そんな、言葉顔が赤くならないわけがない。
***
「ねえ、レンくん」
「どうしたの、レディ」
「私たちのことはレディってよぶのになんでみょうじさんは名前なの?」
「ふふ、変なこと聞いてくるね」
「私たちも名前で呼んでほしい!!」
「それはいくらレディの言うことでも聞けないなあ。」
「えーっ?なんで?」
「それはね、なまえは大切な存在だからだよ」
そういって私のほうをみてウィンクをするレンにまた顔が赤くなった。
------------------------アンケートいまのとこたくさんのご回答ありがとうございます!
途中結果を見たらレン様が一位でコメントに幼馴染み設定が読みたいと書かれていたので書いてみました!
これからもアンケートなどみて書いていきたいとおもいますのでよろしくおねがいします。