人一倍不器用で
鈍くて
でも、たまには甘えてくれてもいいよね?

大好きだよ。




『翔〜?』


「なんだよ」
『今度の日曜...どっかいかない?』

「わりぃ、おれそのひ用事あんだ」


もおこのぱたーんにも嫌気がさす。毎回私が自分から誘ってその度に断られて、付き合ってもお二ヶ月をすぎようとしている、それにもかかわらずろくにデートもしない、ただ、たまに一緒にかえって喋って…こんなのただの友達じゃん

『ねえ、翔?』
私が問いかけるとこっちをみてなんだ?とゆわんばかりの顏をしてる


『私たちさ、デートもしないただ喋るだけ、これってさ友達じゃん』

いままで溜まっていたことをついに翔につげる。心のどこかでそれを否定してくれるっておもってた。

「別にそれでいいだろ」

でも返ってきた答えは違うものだった。
ソレデイイってなに?
もしかして私達の関係って友達だったの?
私が翔と喋るごとに喜んでた。心のそこでやったーって思ってたのに…それって私だけだった?
そーだよね…
翔はなにもおもってないよね



『そ、そっか、そ、そうだよね、あはは、ごめんね翔』
無理に笑う


『わたし…レンに用事おもいだしたからちょっといってくるね』


「お、おい!!」


翔が後ろからわたしを呼び止めた。でも翔の元にはいけなかった。いまにも目から溢れだしそうなものをこらえ走ってレンのとこにいく



***
私の足は
おそらく屋上にいるであろう
レンのところにいく


ガチャッ
〜♪♪

「(うわ〜素敵な音色)」

屋上足をはこぶと聞こえてくるサックスの音色。私の大好きなサックス。思わず目を瞑ってしまう。


「おや、レディ?どうしたのかな?」

あまりの綺麗さに気をとられているとレンが私に気づいた様子。私なんで…
頭にはてなをうかべてつい数分まえのことをおもいだす。

「レン〜」
思い出した。翔が原因だ。思い出すとすぐに気分は暗くなってしまう。


「レディが泣くなんて珍しいね」

あれ、私泣いてる…?目に手をあてるとつく水滴。
レンに言われた通り私がなくのなんて珍しい。

『ぐすっ…』
「この様子だとおちびちゃんとなにかあったのかな?」


優しく問いかけてくれるレン。頭に手がのる。


『うん…レン…やっぱ私今週の日曜いく』

すこしおちつく。前にレンに誘われていた日曜、翔とのデートのためにって思って開けておいたんだけど断られちゃったしね…


『それは嬉しいな。絶対むりだとおもってたからね』

嬉しそうににこっとさせるレン。


「うん!!楽しみにしとくね」
「ほんとストレートでかわいいレディだ」

そういってレンがあたしに抱きついてくる


いつものことだからあまり気には止めないけど、もしあたしの彼氏がレンだったら…そう思ってしまった。


その瞬間
ガチャッ


屋上のとびらが開いた


私とレンは一気に
そちらに集中する


「翔…」


「お、おまえら、なにやってんだよ!」

あきらかに怒ってる翔。

なんで怒るの?
私のことなんてどーでもいいんでしょ?
ほっといてよ

そう言おうとしたとき
レンにきつく抱き締められる


「おちびちゃんが泣かせたんだろ?」


「レ…(レディ、ちょっと静かにしてて)」
そういってウインクをして笑うレン


「おちびちゃん、レディは俺がもらっていいかな?」
「な…なにいってだよレン」

「俺ならレディを泣かせないよ。日曜も俺と約束したんだ」


「なっ!!」

『ちょ、レン』


焦る翔
それに反比例して挑発的になるレン



「レディをもらってもいいかな?」
そう問うレン。
レン、翔なら
きっといいって言うよ



そお思っていた。

でもレンから出る言葉はちがった


「い、いいわけねーだろっ!!」


そおいってレンから
私を離して翔に引き寄せられる。


『翔?』

「お前、なにレンのとこいってんだよ、」

「だって…レンあたしのことどーでもいいって」
「あー!!んなこと一言もいってねーだろっ」


すこし赤くなる翔


「翔…」

「日曜…」
「えっ?」
「日曜…いくぞ」
「どこに?」
「デートに決まってんだろ。他にどこがあんだよ」


すこし小さい声で自信なさげに言う翔


「ほんと?あ…でもレンが」
「俺のことなら気にしなくていいよ。おちびちゃんとのデート、楽しんできてね。」

「レン…」
「そのかわり…」
「次レディを泣かしたら俺がもらうよ?」

翔のほうを指差すレン
その言葉を
かきけすように
「まかせろ、お前にはやんねーよ」


そうして翔もレンを指さしてそう言った。




私の思いは無駄じゃなかったってことだよね
そー思ってもいいんだよね?