灯神祭U

 遅れてマレも加わり、人数が拮抗した二組は壁を壊して、中庭は乱戦状態になった。もう敵の球だけではなく、味方の球さえ当たってくる。遠くに生き生きと合戦場を駆けるカルセの姿が見えた。数人に追われて崩れた壁を飛び越え、膝の上まで沈みながら、雪に埋もれた花壇のあとを見つけて高台を取り、すかさず攻撃に転じる。
 水色の眸が、薄氷のように煌くのを見た。
 カルツは離れた場所から、悴んだ手に雪玉を作り、カルセを目がけて力いっぱいに投げた。
「あ」
 球は想定より遥かに、左へと逸れていく。当たらないや、と諦めたのも束の間、飛んでいった先に目を向けて、カルツは思考が停止するのを感じた。
 渡り廊下の曲がり角から、百合を挿したハニーブロンドが現れたのだ。
 雪玉はまっすぐに、星のような軌道を描いて飛んだ。そして数人の生徒が息を呑む中、ミシェーラの横顔に当たって、粉々に砕け散った。
「ミシェーラ先生!」
 誰かが叫んで、ぎょっとしたように中庭が静まる。何が起こったのか分からなかったのだろう、驚きのあまり悲鳴と共に腰を抜かしたミシェーラに、その場の全員が一歩、逃げるように後ずさったのが空気で分かった。
 違ったのは、二人だけ。
 カルツは身動きが取れなかった。初等部からの学院生活で初めて犯したかもしれない派手な失態に、心臓が止まってしまったみたいに動けなかった。
 駆け出したのは、カルセだった。彼はただ一人、寸分の躊躇いもなく動いて、ミシェーラに駆け寄った。雪にまみれた制服もそのままに、渡り廊下に膝をついて、ミシェーラに手を差し伸べた。
「誰ですか、一体」
「申し訳ありません、先生。俺が投げました」
 目元についた雪を振りはらい、カルセの顔を見たミシェーラは、まあ、と悲痛な声を上げた。信じられない。そう言いたいのがありありと聞こえてくる声だったが、カルセは畳みかけるように口を開く。
「遊びに夢中になりすぎて、周りが見えていませんでした。本当にすみません」
「ええ、まったく……まったくですよ。生徒会長ともあろう貴方が」
「以後気をつけます。……あ、荷物が」
 転んだときに取り落としたのだろう。ミシェーラの足元に、ノートと紙が散らばっている。カルセは手早くそれらを集めて、少し濡らしたことを詫びると、順番通りに並べ直してミシェーラに返した。
「元気なのは良いことですが、もう元気なだけの子供ではないのですから、気をつけなさい。皆さんもですよ」
 はい、と雪のあいだから返事が上がる。カルツはそのときになって、自分以外の生徒が皆、いつのまにか雪の陰に身を潜めていたのに気づいた。
「貴方は礼拝堂に来てください」
「掃除ですか」
「いいえ、灯神祭の件で用があります。先に行っていますから、この雪だらけの渡り廊下を掃除してからいらっしゃい。いいですね」
 はい、とカルセは素直に返事をする。ミシェーラは立ち上がり、ワンピースの裾をはたいて礼拝堂のほうへと歩いていった。
 危なかったな、焦ったな、と口々に言い合いながら、雪の陰からいくつもの頭が姿を現す。ぼんやりとその中心に立ち尽くしているカルツのもとへ、カルセがやってきて、心臓の上を拳でとんと叩いた。
「ばか、何やってんだよ。ああいうときは、周りと一緒に逃げとけって」
「え……」
「まとめて叱られたら、庇ってやった意味がないだろ?」
 あ、と言葉にならない返事を吐き出す唇から、漏れる息は白い。箒持ってくる、と誰かが言い、頼むわ、とカルセは笑った。
「そんなこと……」
「ん?」
「君に押しつけて逃げるなんて、そんなこと、僕には」
 できないよ、と。言いかけて、カルツは口を噤んだ。ふと、本当にそうだろうか? と頭の奥で自分の声が言葉を阻んだ。
 カルセがどうしたと言いたげに首を傾げる。目線の高さがぴたりと重なると、やはりその顔は、毎朝鏡の中で見ている眼鏡を外した自分の顔とよく似ていた。
「嘘をつかせてごめん。灯神様が君を怒らないといいけど」
 ようやく絞り出せた言葉に、カルセが一瞬、拍子抜けしたような表情を浮かべる。眸の底に言い知れない揺らぎが覗いて、血色のいい唇が、薄く弧を描いた。
「灯神? あんなもん、怒ったって別に」
「持ってきたぞ」
 はっと、我に返ったようにカルセは続きを飲み込んだ。自分が驚いた顔をしているのが、カルツは嫌というほど分かった。
「ありがとう。よし、さっさとやるぞ」
 箒を掲げて帰ってきた級友に、カルセはいつもの口調で答える。雪をかき分けて歩き、二本の箒を借りて帰ってくると、一本をカルツに差し出して問答無用で握らせた。
「お前も手伝えよ」
「……もちろん。そうだ、カルセ」
 話はもう終わったと、言外にはっきりと伝えてくる態度だった。最後まで聞かなくて済んだことに、どこかほっとしている自分に気づいて、カルツは愕然とする。
 ノスフォールにうまれて、灯神を軽んじることは、命を軽んじることと同義だ。口にされたら、なんと返したらよいのか見当もつかない。カルセがなぜそんな発言をしかけたのか、それだけが頭の片隅にこびりついて離れない疑問だったが、問い直す勇気は出なかった。
 せめて、彼が灯神の怒りに触れて、この大切な時期に罰を受けないように。コートを脱ぎ、下に着ていたジャケットを差し出す。
「交換しよう、制服が濡れてる」
「え? でもお前は」
「僕はコートがあるからいい。灯神祭まであと一週間なんだ、いま君が風邪を引いたらだめだよ」
 ね、と微笑んで手渡せば、カルセは少し迷ったものの、分かったと言って受け取った。カルツは代わりに濡れたジャケットを受け取る。教室に戻って、ストーブの傍に置いておけば、放課後には乾いているだろう。
「カルセ、礼拝堂に行くんだろ? 掃除ならおれたちがやっとくから、行けよ」
 一組の生徒たちが集まってきて、カルセの手から箒を取り上げた。悪いな、と礼を言って、渡り廊下を歩き出す兄の背に、カルツは視線を向ける。
 昔から。
 いつもそうだ。カルセは逃げない。逃げずに立ち向かうカルセの後ろ姿が、自分の前には昔から、ずっと立っている。
 ……いつから?
「カルツ? どうかした?」
「あ、いや。ごめん」
「いいけどさ。掃除やっちゃおうよ」
 マレに覗き込まれて、カルツはびくりと肩を跳ね上げた。その反応に驚いた顔をしながらも、自分を促してくれたマレに気づいて、小さく礼を言った。
 一組の生徒たちにまじって箒を動かしながら、思う。
 カルセは逃げない――最初にそう思ったのは、いつの記憶なのだろう。幼心に焼きついたことだけは覚えているのだが、いつ、どうしてそう思ったのか、まるで思い出せない。
 頭の奥に厚い氷が張っているみたいだ。カルツは下を向いて、カルセの目を思い返した。あれも、氷のような目だった。逃げずに割ったら、何か溢れたのだろうか。

 礼拝堂に着くと、ミシェーラが花瓶の花を入れ替えているところだった。雪のように白い百合の花が、白に瑠璃色をまぜたガラスの器の上で、凛として首を持ち上げている。
 当日の立ち位置を決めたくて呼んだのだが、式典の進行を書き記した紙を教員室に置いてきてしまった。取ってくるからここで待っているようにと言い残して、ミシェーラは足早に礼拝堂を出ていく。
 後に残されたカルセは、乾いたジャケットの下で肩を竦ませ、白い息を吐き出した。礼拝堂では特別なとき以外、ストーブを使わない。左右の壁に高く並んだ明り取りからこぼれる光は薄く、陽だまりに腰を下ろしても、感じられる温もりはほとんどなかった。
「灯神、ねえ……」
 姿を描くことを禁じられているその神のため、祭壇には大理石で彫られた聖杯が掲げられている。灯神祭の日、そこに薪を入れ、灯される火は赤々と温かい。聖杯は灯神の椅子だ。説教台に飾られた百合の花を見上げて、は、と褪せた笑いを漏らし、カルセは脚を組んだ。
 灯神の存在を、否定はしない。
 でも、それを純粋に拝み、跪いて尊び敬うことは、もう十年も前の遠い昔にやめた。



 灯神祭の知らせと冬期休暇の注意事項を記した紙が、昇降口に立った掲示板に並んでいる。その他、冬期休暇前に提出すべき課題についての連絡が、各教科からちらほらと。
 目新しい連絡は増えていないことを確かめて、カルツはローファーを脱ぎ、紺色のソックスに包まれた足を外履きのブーツにねじ込んだ。除雪作業や課外授業で使う、雪に沈んでも平気な靴だ。硬い革の内側の、冷えた温度が爪先に染み入る。
「カラメルビスケットをひと箱と、ビター・シロップ。それからローストナッツと、タフィを買ってくるよ。ねえ、カルツ」
「ああ、うん」
「カルツってば。聞いてた? 君の分のお土産の話をしてたんだよ」
 耳朶を引っ張られて冷たさで我に返り、カルツは「ごめん」と正直に謝った。何か話しかけられているのは分かっていたが、上の空だった。やっぱり、と目を尖らせたマレが、ブーツの紐を結ぶ。
「そんなにたくさん、いいよ。荷物も多くて重いだろうし」
「夜行列車に乗りっぱなしで帰ってこられるんだから、平気だよ。年が明けたら、寮にいられるのもあとちょっとなんだ。美味しいものいっぱい、一緒に食べよう」
 霜柱を踏んで外へ出ながら、マレはそう言って笑った。
 灯神祭が終われば、ハーローツ少年学院は二週間の冬期休暇を迎える。帰省をするか寮で過ごすかは自由だ。実家に帰ることが決まっているマレは、このところ休暇のことで頭がいっぱいだった。彼の家は遠くて、郵便を送ると配達費が高くつくせいで、めったに家からの贈り物がされてこないのだ。甘いお菓子やジュースなど、寮で手に入らないものにすっかり飢えている。
 カルツは帰らない。二ヶ月に及ぶ夏期休暇と違って、あまり日数のない冬期休暇は、毎年寮で過ごすのが初等部の頃からの習慣だ。生徒が減るこの期間でも、ラウンジは変わらず暖炉が燃え続けている。静かな温かい部屋で勉強を捗らせて、休暇明けの学年末試験に臨むのが例年の過ごし方だ。カルツの頭の中は、休暇の予定よりも試験に向かっていた。
「兄さんは、どうするの?」
「カルセ? 帰ったり帰らなかったり、色々だからなあ。そういえば今年はどうするんだろう」
「帰らないぜ」
 真後ろから声をかけられて、マレが飛び上がった。彼ほどではないにしろ、驚いて跳ねた心臓をおさえるようにして、カルツも後ろを向く。
 よう、とカルセが片手を上げた。両隣にランスとニオを連れている。生徒会の役員でも、私的な場面でも、この三人は仲がいい。
 ランスが徐に手を伸ばして、マレの首元に触れた。襟のボタンが取れかかっているから、式典までにきちんと直しておくように、と告げる。縫えないなら後で一組へ持ってくるように、とも。
「帰らないんだ?」
「今年はな。俺が寮を空けたらスリンジャー先生の負担が増える。何より、ここで過ごすのも最後の冬だ。俺たちは全員残る予定だよ」
 心配するな、お前の勉強の邪魔はしないから。冗談めかしてそう笑うカルセに従うように、寂しくなったら遊んであげないこともないけど、とニオが言った。マレが帰省するのを聞いていたのだろう。ありがとう、と素直に言って、カルツは兄に向き直る。
「母さんが、寂しがらないかな。カルセが帰らないと」
「明日の灯神祭には来るんだ、終わった後にでも会えばいいさ」
「ああ、そうなんだね」
「なんだ、聞いてなかったのか?」
 中庭から校庭へ続く道を歩きながら、カルツは頷いた。しまったという顔をするカルセがいとおしい。母の愛情を深く受けていることを、カルセはいつも、カルツに対して隠そうとする。
 隠しごとは、面倒くさいだろうに。カルセがそうやって自分を傷つけまいと大切にしてくれるから、カルツは母の手紙がなくても、誰にも愛されていないなんて思うことはない。
 母はカルセに、父の面影を探しているのだ。愛した男に流れていた〈灯守〉という特別な血を、カルセは引いている。永遠を誓ったひとと、たったの数年で死別するのはどんな気持ちだったろう。生き写しの息子が特別に可愛いのは、仕方のないことと今は思える。
「駅前に、ホットチョコレートの美味しい店ができたって噂だったろう。灯神祭のあと、そこへ行こうかって話してる」
「へえ、いいね」
「お前も行くだろ? 勉強詰めの休暇に入る前に、ちょっとは羽を伸ばさないと息が詰まるぞ」
 後ろでマレが、ランスとニオに囲まれて故郷の話をしている。一駅離れた場所に建つハーローツの高等部には進学せず、仕事に就いて弟たちの進学を援助するという言葉が聞こえた。ニオは高等部への進学がすでに内定している。ランスは貿易会社を営む父の知人を頼って海外へ。留学を経て、二年後にハーローツの高等部へ編入する予定だ。
「僕は、」
 行かなくても、と。言いかけたカルツの頬に、冷たい風が吹きつけた。まっすぐな髪が風に煽られ、レンズの前がラベンダー色に曇る。焼けつくような冷たい風だった。北のほうが吹雪いているのかもしれない。凍りつこうとする体を解かすように、膚の一枚下が忙しなく血を巡らせ、熱を持つ。
「すごいな。すぐ顔が赤くなる」
 覗き込んで、カルセが言った。
「中に火が灯っているみたいだ」
 そういって頬に触れる彼の手は、季節に関係なく温かい。君こそ、と返すと、水色の眸は曖昧な笑みを宿して伏せられた。何の話。ニオが背中から、カルセに飛びついて訊ねる。
 そうしてふと、真横に並んだカルツの顔をまじまじと見上げて、面白いことでも知ったように頷いた。
「身長、カルセと同じなんだねえ。カルツって結構、背高いんだ」
「本読んでるときは、いつも猫背だからな。小さく見えるけど、実は俺と変わらない」
「ランスとどっちが大きい?」
「春の測定じゃランスのほうが大きかった。でも、最近目線の高さが逆転したような気がするんだ。どうだろうな」
 話しながら歩く二人の横に、ランスが立った。背中を叩かれて振り返ると、マレが隣に来ていた。イェ・ジェン。耳慣れない言葉を、得意げに口にする。ランスが春から渡る国の言葉で、こんにちはという意味だと教えられた。
「じゃあ、お互い頑張ろうな」
 礼拝堂の前に着くと、カルセはそう言って、ドアを開けた。三人は生徒会として、礼拝堂の中での準備に取りかかる。
 カルツたち一般の生徒は、外の掃除や雪かき、窓ふきだ。見れば礼拝堂の周りには、見慣れた顔ぶれが集まり始めていて、スリンジャーが早く来た生徒から作業を割り振っているところだった。
「君たちは裏口の掃除を」
 スリンジャーがカルツたちに指示を出す。二人は掃除道具を取って、礼拝堂の横を通り、裏手へ回った。
 正面入り口の四分の一にも満たない、小さな木のドアが閉まった裏口は、明日、灯神祭の式典中に教師や生徒たちが出入りするのに使われる。内側には紺色の緞帳を垂らして、ドアが見えないようになるはずだ。
 カルセもここから入って、祭壇の前に出てうたうのだろう。
 段差を覆う凍った雪を砕いて、ぼんやりとその光景を思い浮かべたとき、ドアの向こうから聴き慣れた歌声が響いてきた。
「カルセだ」
 スコップで雪をよけていたマレが、顔を上げる。
「リハーサルかな。明り取りが開いてるんだ、結構聞こえるもんだね」
 歌声に合わせて、伴奏の生徒が奏でるオルガンの音も流れてきた。明日に向けての最終調整といったところか。これが本番だと言われても違和感がないくらいに、完成度が高い。補い、高めあう息の合った歌に、カルツはふと父の歌を思い出した。
 声はあまり似ていないが、父は歌の上手いひとだった。カルセの歌には、父に劣らない練習を重ねてきた努力が見える。一音一音の伸びやかさの中に垣間見える緊張が、張り詰めた冬の空気を震わせて銀世界によく映える。
 灯守だけが、うたうことを許された歌だ。
 しかしカルツが掃除の手を再び動かし始めたとき、その声が唐突に掠れ、歌が消えた。
「……カルセ?」
 咽ぶような咳が、ドアの向こうから響いてくる。尋常ではないその様子に、伴奏が止まり、礼拝堂の中がざわついた。
 やがて咳がぴたりと止んだ。ざわめきが一瞬静まり返り、叫びに代わる。
 カルツはマレと顔を見合わせて、薄いドアを引きはがすように開け、祭壇に目を向けた。
「……カルセ!」
 オルガンの向こうに、ラベンダー色の髪が広がっている。床に投げ出された手足は力なく方々を向き、伴奏をしていたと思われる生徒が、青ざめた顔でその体を揺さぶっていた。
 カルツは我を忘れて、外履きのまま階段を駆け上がり、祭壇へ上った。正装の黒いケープをはおったカルセが、そこに横たわっている。囲んでいた生徒たちが、血相を変えて飛び込んできたカルツの姿に気づいて、一歩広がった。
「カルセ!」
「道を開けて! 通してちょうだい。カルセ君!」
 騒ぎを聞きつけて駆けてきたミシェーラが、生徒たちをかき分けて前に出る。仰向けに倒れたカルセを挟むようにして、カルツと反対側に膝をつき、首筋に手の甲を押し当てた。
 カルツは恐る恐る、目を閉じたカルセの口許に手を寄せた。かすかだが、呼吸はある。脈もあるようだ。でも、生気がない。いつも晴れ晴れと血色のよかった頬が、今はカルツの頬よりも白く、雪のようだ。触れてみて、その冷たさに胸がぞわりと粟立つ。
 本物の雪の塊に触れたのかと思った。
「そんな……まさか……」
 呆然とするカルツを、ミシェーラは鋭く射抜いた。その視線の意味を問うよりも早く、彼女はカルセのケープに手をかけ、ボタンを外す。制服のジャケットもボタンを外し、震える手で開いた。
 真っ白なシャツの第三ボタンを食い破って、カルセの心臓の上に氷の結晶が広がっていた。
 ざわめきが波紋のように広がっていく。いつのまにか礼拝堂には、多くの生徒が押しかけていた。スリンジャーの姿もある。日頃はほとんど動きのない眼差しに、動揺がありありと浮かび上がっている。

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