フロウ・ライトV



 民宿に戻ると、夫人の様子がにわかに慌ただしかった。いつもは台所で夕食の支度をしている時間だというのに、居間の隅で縮こまって、電話を相手に「ハイ、ハイ、エエ、スミマセン、ハイ」と恐縮しきった様子で頭を下げている。
「どうかしたんですか」
「ああ、あんたさん。戻ってたのかい」
 受話器を置いたのを見計らって声をかけると、夫人は振り返って、ほっとしたような焦ったような表情を浮かべた。
「旦那がいなくなっちまったんだよ」
「ええ?」
「夕飯の支度の前に、回覧板を出しに行こうと思ってさ。あんた、ちょっと出かけてくっから、二階の戸締めといてくれ、って言ったんだ。ああ、って言ってな、そこで椅子に座って新聞を読んでた。それっきりだ。戻ってみたら、二階の戸は閉まってたけども、旦那はどこにもいなかった。玄関が開いててな、あんたさんの靴がなくなってる。履いてっちまったのかもしれねんだよ。ごめんねえ」
「いい、いい。靴なんか構いませんから。それより、捜索願は出しましたか」
「町内放送なら、今してくれっとこだよ。町長さんに電話した」
「そうですか。私も少し、近所を探してみましょう」
 すがるように私の服を握る夫人の皺だらけの手を握って、そっと離し、私は彼女に頷いてみせた。夫人は動揺とも感嘆ともつかない涙を浮かべて、ああ、と言葉にならない声を上げた。
「私が悪かったんだ。あの人、最近上の空でいることが多くなったのに、つい一人にしちまって。木瀬さんとこの奥さんと、話しこんじまったから」
 涙声に後ろ髪を引かれたが、悠長に慰めている場合ではない。閑散としたこの町で、私はよそ者であるが、比較的若いと呼べるほうだった。こういうときは、歳の若い者が走るしかない。旦那の普段の様子を見ていれば、私だって分かる。
 あれは、認知症だ。おそらく今も、自分がどこにいるか、分からなくなっている可能性が高い。
 曲がり角でどちらに向かうか迷い、名前を叫ぼうとして、旦那の名を知らないことに思い至った。町内放送の始まりを報せる、ピンポンパンポーン、という音が電柱から流れた。
『木船町の皆様にお願い申し上げます。町内にお住いの浮田青次さま、浮田青次さまが行方不明になっております。見かけた方はお声がけの上――……』
「青次さん、青次さーん」
 私の声に、近所の人たちが窓を開けた。おやあんた青次さんとこの、と声をかけてくる。私は彼らに、見かけたら電話をしてほしいと言おうとして、携帯電話を取り出した。いつから充電をしていなかっただろう。画面は真っ暗だ。
「民宿に……、見かけたら教えてやってください。私はしばらく捜したら一人で戻りますから、決して、旦那さんが戻ったら私を迎えにくることはしなくていい、しばらくは傍で見ておくようにと、奥さんに伝えてください」
 ああ、と一人二人、頷いてくれる人があった。私は役に立たない携帯電話をポケットにねじこんで、角を曲がった。
 水平線の向こうに、夕日が沈んでいこうとしている。旦那は夜になれば比較的頭が冴える。だが、ぼんやりした意識のまま歩き回った後では、日が沈んだら戻ってこられるか分からない。それこそ自販機ひとつが街灯の代わりをしているような町だ。
「青次さ……っ」
 ビーチサンダルがアスファルトの窪みにひっかかった。つんのめった私は転び、手のひらを擦りむいた。砂利が傷口に触って痛い。舌打ちをしてはたく。サンダルを脱ぎ、片手に持って素足で歩き始めた。夜の虫が鳴き始め、燃えるような橙の空に、藍色の筋が一閃、雲を引き連れて駆け通った。
 その、群青の陰に。
「青次さん!」
 一瞬、見落としかけたが、探し人が立っていた。痩せた背中を丸めて、海の彼方を見つめている。駆け寄って、私は叫び上げそうになった。水母と夜の冷たさに溢れた晩夏の海に、旦那は腰まで浸かって、ざぶざぶと沖を目指して歩いていた。
 躊躇いは一瞬だった。携帯電話と小銭入れを砂浜に放り捨てて、私は着の身着のまま、海へ飛び込んだ。
「青次さん、何してるんですか。奥さん、待ってますよ」
「奥さん?」
「そうですよ、あの民宿で。青次さんがいなくなったって、泣いて」
「『おいら』、まだ嫁なんかいねえよ」
 その声は、妙にはきはきとして若く――しゃがれているが、少年のようだった。私はひゅっと胸が凍るのを感じて、青次さんの腕を掴んだまま、恐る恐る顔を上げた。
 彼は、私の見たことのない、無邪気な子供の笑みを浮かべていた。
「おめさん、誰だ? この町のもんじゃねえな。おいら、兄貴を探してるんだよ。さっき、上から見たときに、そこんとこを歩いてたような気がしてさ」
「兄貴って……」
「知ってるか? 青一っていうんだ。女みてえに細いんだけどさ、顔に見合わず度胸があってな。おっ父の片腕みたいな、立派な漁師なんだ」
 おいらとあんまり背は変わんねえんだけどな、おっ母似で髪がすすき色で。力はおっ父には敵わねえけど、大人に交じって鯨相手に食いついていくんだ。
 身振り手振りを交えて、旦那は生き生きと目を輝かせて語った。夕日が水平線に消えようとしている。波の冷たさが腰を這い上り、ぞくりと背中が、言い知れぬ寒さに粟立った。
「青次さん、その話、民宿に戻ったらゆっくり聞かせてください」
「民宿う?」
「ええ、貴方の民宿です。貴方と奥さんの家です。ほら、屋根が見えるでしょう? すぐそこにあるんです。青次さん」
「はあ……」
「貴方のお兄さんは、もう……亡くなったんだ」
 群青が、とっぷりと空を覆った。夜が水平線を隠して、海の彼方と空の境が見えなくなる。私は青次さんの両肩を掴んだまま、彼と目を合わせることができずに、見えない水平線を探していた。
 ふ、とその手に、確かめるような手つきで、青次さんが触れた。
「ああ……、そうだ。兄貴は死んだ。父親と一緒に」
「青次さん」
「ああ、お前さんか? 俺はここで、何をしてる?」
 ぐいと、腕を掴んで私と目を合わせる。その顔はすっかり、私の知る旦那のものに戻っていた。
「青次さん、帰りましょう。帰って、お風呂ですね」
「ああ、そうだなあ。んっ、なんだこりゃあ」
「はい?」
「足がなんか、おかしいな。こりゃ、お前さんの靴か?」
 私の肩に片腕を預け、砂に埋もれかかっていたらしい足を抜いた旦那は、驚いたように靴を脱いだ。月明かりに照らされながら泥を吐き出した、それはまさしく、私の革靴だった。
 青次さんは申し訳なさに困憊して、何度も頭を下げようとした。私は靴などどうだっていいと彼を宥めて、砂浜まで歩いたところで、私の放ってあったビーチサンダルと交換した。
「照子は、何か言っとったか」
「待ってましたよ」
「そうか」
「帰りましょう。っと、ああ、すみません」
 夫人に比べれば若人だからと無茶をしたが、私は本来、走ったり海に入ったりするような性質ではない。恐縮しきっている青次さんを気落ちさせまいと、まだ十分に履けるふりをしたくて無理に革靴へ足を突っ込んだが、滑りが悪くて情けなくよろけ、青次さんに支えられる羽目になった。骨ばった体から、海の匂いがした。瓶の中で何十年も濃縮されていったら、涙もこんな匂いになるに違いないと思った。
 踵を押し込みに、身を屈める。
 遠くの岩場で、青白い光が走り去ったような気がした。



 持ち手の先にある籠を掲げると、薄暗い窟の足元が仄かに明るく照らされる。静寂に、どこからか水の滴り落ちる音。砕ける波の音がそれをかき消して、足元まで水が入り込んできた。
「アヲ」
「せんせい」
 横たわった少年に近づいて、そっと声をかけると、眠っているかのように見えた彼はしっかり起きていた。忍び足で寄ってきた私をからかうような、いたずらな笑みが口角を縁取る。しかしその目はすぐに、私の持っている物体へと移された。
 前髪から覗く狭い眉間に、皺が寄る。
「何、それ」
「蛍籠だ。知人に籐を編むのが趣味の人がいてな、重い蛍を入れるから麦わらではないのがいいんだと頼んで作ってもらった。なかなかいいだろう?」
 小さな虫を逃がさないように作られた、籐と籐の絶妙な隙間から、青白い光が辺りに漏れ出している。学習用の地球儀ほどもある、球形の籠だ。遊び心で編み込まれた草模様が、球の下から上に向かって細く伸びている。
 紐を引っかけて止める形になっている、上部の蓋を開けて、私は中からひとつの結晶を取り出した。うす緑の蛍石は、日光を吸収して暗がりで光を放つ。アヲはしばらく眺めたあと、どこか呆気に取られたように口を開いた。
「収集癖が過ぎるのはまともじゃない証みたいなこと、言ったの、せんせいじゃなかったっけ」
「言ったが、別に私に収集癖はないとも言っていない」
「本当に持っていってくれるつもりなんだ?」
「もちろんだとも。これがあれば、晴れた日の夜は豆電球を消して眠れる。電気代の節約に感謝するよ。昔から、真っ暗闇では眠れなくなるタイプでね」
 アヲはとうとうふき出した。彼が笑ってくれたので、私も冗談芝居を演ずるのを止めて、苦笑を浮かべた。見せて。起き上がってあぐらをかいたアヲの前に、蛍籠を下ろす。三分の一くらい、入っている。平然と片手で持ってみせたが、ここまで来る間は両腕に抱えてきた。
「せんせいの家って、どんなところ」
「そうだな。狭くてものが散乱している」
「それは前に聞いた」
「アパートの三階で、家賃が安いわりに日当たりはいい。代わりにエレベーターはない。冬には水道管がよく凍って、洗濯機が午後まで回せなくなる」
「へえ」
「上階の人間はいないから、足音は静かだ。でも私の下の部屋の住人は、どうやら自称ミュージシャンでな。平日の昼は人が出払っていると信じ込んでいるんだろう。大声で自作の歌を歌って、ギターをかき鳴らす」
「せんせいがどんな顔してるか、大体、想像つくな」
「多分、その顔をしていると私も思う。窓の外は悪くない。狭い道路が通っていて、正面は大学の所有するグラウンドだ。おかげで景観が詰まっていなくて、窓を開けても余所のアパートの人間と目が合うようなこともない。小さなベランダがある。カラスよけのペットボトルしかないが、じきに、昼間はきみがそこを使うようになる」
 少年は満足げに微笑んだ。日当たり以外まことに誇れるものがない部屋だが、それさえあれば籠の中の彼にとっては不足ないはずである。左手の握りこぶしが差し出された。私は同じ、左手の握りこぶしを軽くぶつけて返した。
 アヲの右腕はもう、肘から先が失われた。すべてこの籠の中にある。
 腕だけではない。シャツの下の胸や腹はすでに大きく抉れているし、肩や首にも欠けがある。顔も左側の結晶化がひどく、頬や瞼が真っ青で、額は欠けた跡が不自然に尖り、角のようになっていた。まだ肌の色を残してつんと尖った鼻が、雪解け前の山頂のようである。唇は左側が固まりかけてきた。もうすぐ、笑っても上がらなくなるだろう。
「ねえ、せんせい。潮だまりに行こう」
「またか」
「せっかく海にいるんだからさ、少しは日焼けして帰りなよ。ぼくが言えたことじゃないけど、せんせい、もやしみたいに白いよ。ヤドカリとって、リレーしよう」
「勝ったら、何をしてくれる」
「フルーツ牛乳、一口あげる」
 それはつまり、勝っても負けてもおそらく私がきみに飲み物を買ってやることになるのだろうな、と。確信を持った問いかけを投げれば、アヲは答えずに立ち上がり、ぽいぽいとポケットから蛍籠へ石を投げ込んだ。私たちは籠を窟の奥へ残して、日差しの下へ踏み出した。
 本音を言えば、私は彼に、もうあまり動いてほしくはない。毀れやすい結晶に侵された体は、今や岩に当たるだけでどこかが欠けていく。アヲはその存在を、目に見える形で小さくしていく。私の前から消えることを、隠しておく努力など、彼はしない。
「せんせい、ほら!」
 小高い岩にかけた足を光に透かして、左手を差し出し、彼は私を呼んだ。ひるがえるシャツが風に膨れ、その芯にある体のいびつな形を透かした。握った手は、いつかのおまじないと同じ冷たさがあった。
「アヲ」
 この岩場に初めてやってきたときのことを、思い出す。
「私は、とある拾いものをして、それを放すのにちょうどいい場所を探して、ここへ来たんだ。その中できみと出会い、今になってひとつ、考えていることがある」
「なに?」
「私が拾ったものは、本当に海からの落し物だったのだろうかということだ。うす緑の、綺麗な海老だった。潮だまりで生きていくのがせいぜいに見える、小さな生き物だった」
「嵐か何かで、流されてきたんじゃない」
「そうだろうか。アヲ、あの海老は本当なら、私ではない誰かがこの場所に連れてくる予定だったものなんじゃないのか。例えば、盆の海をぼうっと眺めているような人が、砂浜に飛び出た瓶に気づいて」
「せんせい」
 たしなめるような声に、私は言葉を切った。
「それもまた、海が導いた答えってことだよ」
 ゆるりと、アヲは目を細める。彼は細腕に見合わない、強い力で私を引っぱり上げた。潮の香りが頬を撫でた。同じ岩の上に立つと、その背は私よりも低くなる。
 目映いほどにうす緑の足で、彼は踵が欠け落ちたのも構わず、水平線に目を向け、黒々とした岩を跨いだ。
「きみはまるで追憶だな、アヲ」
 脆く、清らかで、何者の手にも負えず、歪めることも癒すこともできない。私は彼に、この瞬間、灼き尽くされるほどの憧憬を感じた。私が一生かかってもなりえない文豪たちの中にある、精神の結晶とよく似た存在に思えた。
 アヲは、太陽を背負って振り返った。そうして彼の踵を拾った私に、見下すでも見上げるでもなく眸を合わせて、首を傾げた。
「そう? ありがと、せんせい」
 数多の意味を内包した私の言葉を追及することもなく、彼は笑った。

 その目が、蛍石へと変わる一日前の話だ。

 それから二日後の三十日の夕刻、アヲは八月の終わりを待たず、砕けて消えた。



 キッチンで薬缶の沸く音が聞こえている。騒々しさに音量を下げて流し見する深夜番組の画面を消し、私は重い腰を上げて、コンロへ向かった。
 カップラーメンのかやくを開けて麺の上に散らし、沸いたばかりのお湯をたっぷりと注ぐ。真夜中の空腹はどうしてこうも堪えがたいものがあるのだろう。まして今日は一日、ろくな食事をしていなかったから尚更だ。
 三分を待たずにラーメンをほぐしながら、テーブルの予定表の一番上のメモを剥がす。
 六月中に送ってくれと再三言われた原稿を、最終日の今朝になってようやく徹夜で書き上げ、顔を合わせるのが面倒だったので速達で送っておいた。私はすぐさま死んだように寝たが、夕方には到着したらしく、先刻起きたら確認しましたとのメールが入っていた。詳細はまた明日、訪ねてくるからそこで話すと言う。
 ――ひとつのものを収集する人って、結構いるもんだとは分かってるつもりでしたけども。いやはや、ここまでの人は初めて見ました。先生、やっぱ変わり者ですね。
 ラーメンをすすりながら、窓辺に置いた蛍籠を見て、前回来たとき担当に言われたことを思い出した。中身ほどじゃない。そう答えたときの彼の、返答に困った顔は、生意気さが抜け落ちた年相応の若さで面白かった。
 やり手の出世頭のようだ。だから人気作家を何人も抱えていて、その隙間で対応できる小さめの仕事ということで、私のような作家も抱え込んでいる。名を売ることにさほど興味のない私のあり方は、彼にとっては理解できないが、ある種心地のいいものらしい。先生はよく分かりませんと言いながら、最近ではたまに、昼飯を買いこんで上がってくる。
 私はそんな彼のもとで、相変わらず一部の人にしか届かない物語を書き続けている。去年の夏に私が逃亡して以来、彼は私を売ることにあまりとやかく言わなくなった。海町を舞台にした一本の小説が、私の作品にしては注目を集め、珍しく利益と評価を上げたせいもあるだろう。
 もっとも、その後に出した数編の短編は相変わらず、鳴かず飛ばずの結果ではあるが、幾ばくかは読者を増やした。
 そうこうしている私のもとに、先日、一通の手紙が届いた。差出人は浮田照子。あの海辺の民宿の夫人である。
 内容は春に旦那が亡くなったことを知らせる旨と、よって自分も近々、県外に住む娘のところへ身を寄せるから、もしまた木船町に来ることがあれば、宿は駅前で取っておくようにとの話だった。旦那は秋からずっと、認知症で夜も目が離せない状態になっていたようだ。
 楽園に善しも悪しもないとは思いつつ、世話になった旨と、きっと善い楽園にいったと思う旨を返信した。誰のせがれだかも分からない私と、毎日食卓を囲んでくれた人である。
 私がまたあの町へ行くことは、きっとないように思う。良いところだったが、元より観光で行くような場所ではなかったし、逃避行は気心の知れた町ではだめなのだ。また日常に嫌気が差して逃げ出すとしても、私はきっと、知らない町へ行くだろう。何より、去年の八月以上に濃密な日々が、また木船町で私を出迎えてくれるとは思い難い。
「そう思わないか、アヲ」
 ふとしたときに話しかけるのが癖になっている蛍籠を見て、私はラーメンの最後の一本をすすり、スープを飲み干した。収集癖だけでも複雑な顔をされたのに、話しかけているところなど見られたら、あの担当はどんな顔をするだろうなと考える。
 想像すると間抜けで、案外憎めなく思えた。
 キッチンでカップを片づけ、そういえば明日は可燃ごみの日だったかなとカレンダーに目を向ける。隣で壁掛け時計の針が、カチリと零時を刻んだ。
 七月一日だ。
「あーあ、よく寝た。波に揺さぶられないせいか、例年よりぐっすり寝たような気分」
 とん、と軽やかな足音がして、懐かしい声に私は顔を上げた。文字盤を覆う薄いガラスに、少年が一人、映っている。
 振り返った私の目に、彼は笑って、両腕を広げた。
「何度も話しかけてくれたのに、夢うつつだったから、返事ができなくてさ。積もる話がいっぱいあるよ。久しぶりだね、せんせい」
 頬が、白熱灯の下でうす緑の光を放つ。
 夏の欠片が、戻ってきた。



『フロウ・ライト』/終

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -