幾年の夏の光を受けたとて框に褪せぬ君の横顔

ソーダ水胸に注いで朝を待ち弾けるまでは僕でありたい

糸を断つ鋏の背中きみへ当て「まあだだよ」の声こぼすのを待つ

菫には菫の永久があるように貴方と私のそれは別物

足跡はインクブルーの逃げ水で歩く限りは乾かない夜

卵から表本箱で育てられ翠の鳥は剥製になる

春を待つ君の背中に腰をかけ山びこをする朝のお仕事

白線の向こう側へは呼びません麦わら帽子何度飛んでも

色のない無口なシャツに身を包み手押し車に夏を詰め込む

一期雨こんなに早く上がるなら貴方を浴びておけばよかった




[ 2/5 ][*prev] [next#]



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -