ハリガネの木



さあさ 種蒔く時間は去って
芽を出したのは何の情だ
雨の如く降る 君の切望
差し向けられて 気が震える

繋いだ手 絡めた指
枯れる日までは、このまま

受け接いだ想いは感電するほど
熱い 熱い 焼けるような熱
心臓に願いを植えつけたいんだ
傍にいてと絡む ハリガネの木

概ね当たる予想を全部
裏切りたくて嗚呼と叫ぶ
丸めた背を刺す 君の眼差し
重く柔らかい 二人の距離

花なくて 果実はなく
終わりも見えず、このまま

塞がれた言葉が膨張していく
眩む 眩む 行き場のない熱
断ち切れる鋏はどこにもないんだ
歪みながら絡む ハリガネの木

同情なんかじゃない
愛情でとは言わない
冷たい枝の下を流れる水が
燃えているだけ

受け接いだ想いは感電するほど
熱い 熱い 焼けるような熱
心臓に願いを植えつけたいんだ
傍にいてと絡む ハリガネの木

枯れぬままに絡む ハリガネの木



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