旅人の詩



永遠の片隅に
一瞬が棲んでいるの
輝きの向こう岸に
黒い雨が降っている

喜びの繋ぎ目に
哀しみが滲み出すの
祝祭を見つめる目に
羨望が隠れている

宝物を探していることに
宝物はないことに
どちらにも気づいている

私の手は白と黒の石を握った
透明な水の音を身体に聞いた
私の手は永久と刹那の糸を引いた
駆け抜ける風の歌を空に返した

幸運の向こう側に
切り立った崖を見るの
青天を見上げる目に
霧がかかっている

宝物を求めているけれど
宝物が恐ろしい
瞼を凍らせている

定められた星の塚を巡る旅が
愛や富や生まれ落ちた意味を語る
まことの物語を綴る言葉はひとつ
時も風も草も夜も知っている

永遠の片隅に
一瞬が棲んでいるの
私がそこにいるの
物語が手を振る

私の手は白と黒の石を握った
透明な水の音を身体に聞いた
私の手は永久と刹那の糸を引いた
駆け抜ける風の歌を空に返した
さあ行こう


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パウロ・コエーリョの『アルケミスト』がとても好きです。


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