星屑の庭で君と出会い、二人、息をするように時間を重ねた。昼も夜もない銀河の天蓋の中で、転寝を渡り歩くように笑い合って暮らした。透き通るような翠が零れている。草木の間を、仄かに光る形のない生命が飛び交う。追いかけるように伸ばした白い手も、温かく光っていた。
すべてが過不足なく満ちていて、調和の取れた庭の中。幸せだったね、と話した君は、僕に先立って今、地上へ向かう。
「先に行っていて。着いたらきっと、君を捜すよ」
少しずつ小さくなりながら降下していく君は、ここから見える世界のどこに降り立つのだろう。小さく見える世界だけれど、降りてみれば広いに違いない。どれほど目を凝らしても、寸分の狂いもなく同じ場所へなど生まれない。
だから僕も、すぐに行こう。少しでも長く、少しでも早く、遠くの地に一人降り立った君を見つけに行けるように。
荒野のバレリーナ
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