話してあげて、戦や王さま、象の話を

2015/01/11 01:59

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実在の芸術家・ミケランジェロの史実に基づく、虚実織り交ぜた不思議な作品。スルタンに呼ばれ、金角湾に架ける橋を手掛けることになったミケランジェロの、イスタンブールでの出逢いと変質を描く物語。
童話のような、詩のような、伝記のような。はたまた別の方角から見れば、情熱的な愛の話という側面も持ち合わせます。

実在の人々を多く登場させていますが、あくまでも物語。ミケランジェロは主人公であり、これは研究書ではないのです。中には幻想も存在します。しかし真実かもしれません。このお話はそんなふうに、歴史を見なくてはと身構えるのではなく、自由に惑わされながら読むのが良いのではないでしょうか。

『夜と昼とはつながっていない。夜は昼の中で燃えつきる。』

冒頭、物語の始まりにこう語る人が、実在か非実在かも分からないまま読むことは、難解ですが幸せでした。



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