アルケミスト
2014/03/06 19:00
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ずっと読みたかった名作。なんで今まで読まなかったんだろうと思う反面、この物語を読んだ後では、「ずっと読まなかったのに今読んだ」ということが、何かの良い前兆なのかもしれないと思ってしまいます。
十四歳くらいから私が考え続けてきた、自分自身とこの世界を繋ぐ様々なことを、的確に纏められたような。そんな共鳴のある物語でした。主人公のサンチャゴを見ていると、まるで過去の自分を追いかけているようです。
そのサンチャゴですが、最後には「誰もが目指しているであろうもの」に辿り着いて、現在の私を少しだけ追い越していったところで笑いかけているように感じました。これは、誰もが通るけれど、通っていることに気づかない人も多い道を、ひたすらに見つめて歩いていく少年の物語です。
訳された言葉もとても美しく、ぜひ一度、読んでみていただきたい本です。そしてこの物語が好きかどうか、「大いなることば」で感じ取ってみてください。
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