お題2 | ナノ

意味が無いものほど価値がある。(烏頭夢5)



「烏頭ってさ、よく変な所触ってるよね」
「はぁ?」

休みの日まで色々と部屋で機械やらなんやらをいじり倒していた烏頭が、休憩なのか終了なのか、一旦全部片付けてこっちにやってきてどっかりと腰を下ろした。
そして当たり前のように私の飲みかけのお茶を飲んで、本を読んでいる私を後ろからガバっと抱きしめて楽しそうに胸を揉んでいた。
もう慣れたから着物の上からなら今更あんまり色々とは言わないが中に手を入れてきた時は問答無用で抓りあげる。

もにもにもにもに楽しそうに揉んでいた烏頭が、変なところってなんだよと呟いてきたので私の身体を挟み込んで体育座りする烏頭の膝をこしょこしょと擽った。

「ちょ、ヤメロこそばい!」
「烏頭が手を放したらね」
「それはヤダ」
膝小僧を指先で擽り続けていたら烏頭も負けじと指先に力を込めてワシ掴んできたので私も本気で擽った。



「で、変なとこってどこだよ」
散々擽って烏頭を悶えさせたらその後は私が悶えさせられてまあ色々あったけど一段落したので烏頭はムクリと上体を起こした。
そして私の髪を引っ張っていると思ったら綺麗に結いあげてくれて、やっぱり烏頭って手先が器用なんだなあと再実感した。

「寝てる時とか、手持ち無沙汰の時とかによく股間触ってるじゃん」
「えー」
そうだっけなーと頭をガリガリ掻きながら中空に目を彷徨わせて腕を組んでいる烏頭は真面目にしてると物凄く男前だと思う。
普段はどっちかというと犬みたいな可愛らしいというか、いや大の大人の男に可愛らしいは可笑しいか、でも可愛いんだよね、笑顔が。

暫く色々考えてウンウン唸っていた烏頭が私の方を見下ろして
「まあなんだ、多分落ち着くからかな」
と言って寝そべっている私の上にゆっくりと覆いかぶさってきて、のそーっと胸元に手を回してきた。

「こっちのがもっと落ち着くけど。あ、違うか。興奮する」
項をべろっと舐めて肩に口づけて、ニヤッと笑って私の顎を掴み、限界まで首を回させられたかと思うと噛み付くようにキスされた。

「菜々子は?興奮しねぇの?」
もにもにと弄ばれる胸元は、徐々に指先に力が込められて何かを訴えていることがわかるが、さっき一段落したところじゃないかとため息を吐き、そう言ってやろうかと思ったが、やめた。

「興奮しなかったらこうやって無いと思うんだけど」
「違いねーな」
ぐるりと身体を回して烏頭の頭を引き寄せて、目を閉じれば思った通りの反応が返ってきて嬉しくなった。

男らしいしっかりした掌と指先、肉刺のある働き者の器用な手が私の身体に触れる度にこれは私の男だと少し誇らしくもなり嬉しくもなる。
またも散々悶えさせられて強く抱きしめられて、その後うっかり二人で眠てしまって、慌てて起きて時計を見てお風呂に入って出てきたら烏頭は布団に足を片方乗り上げ両手を股間に当て、掻いたり弄ったりしながらも凄く幸せそうに大口を開けて涎を垂らして寝ていたのでしっかりとそれを写メに取らせてもらった。

阿呆だけど烏頭といるのってほんとうに楽しくて平和って素敵だなとか、こうやって二人でいられるのってなんて幸せなんだろうと私はあたりまえだけど幸せな毎日の繰り返しに意味が無いものほど価値がある。と物凄い満足感を得た。
出来ればその満足感を、烏頭も得ているといいなと思いながら。

そしてその平和そのものの画像はロックしておいていたというのに、後日職場であっさり解除されて烏頭に見つかり、物凄い顔をひきつらせて消そうとしていたので慌てて取り上げたら追いかけっこになってしまった。

「菜々子さん烏頭さん、惚気は他所でやてください」
うっかり鬼灯様にぶつかって、それを見られて私と烏頭は盛大に叫び、更に追い打ちとばかりに鬼灯様に拳骨を喰らったのだった。
(「菜々子さんのああいう写真はないんですか」「あるけど、オマエには見せねぇ」「いいじゃないですか、私にとって菜々子さんは妹も同然」「妹のあられもない姿が見たいっていうのは変態だろ」「私シスコンなんです」「でも本当の妹じゃないし」「じゃあ構わないじゃないですか」「そっかーって違う、そうじゃねえだろ!」「ツベコベ言わず寄越せ」「菜々子は俺のなの!誰にもやらねー!」)
おわり
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ズボンに手を突っ込んで寝てるのって可愛いなーと思ってたけど、よく考えたら突っ込んでるだけってわけはないよなあと。
そしてそういう男の人って結構多いと。
…烏頭は想像つくが鬼灯様は…そうなのか?それも覗いてみたいな




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