Scoop?!





「…………」

真田は、押し黙ったまま腕を組み、コート側に設えてあるベンチに腰掛けていた。
一点の方向に視線を預け、いつ見ても代わり映えしない仏頂面をしている。
無口、無愛想に輪を掛けている所為もあり、誰も彼に近寄ろうとはしなかった。否、出来なかった。

「もう少し笑顔……になってみたら?」

「…………」

「ほら……いつもみたいにしてくれよ」

「…………」

――――出来るかっ、馬鹿者つ!!

皆が近寄れなかったのは、真田が怖いからではなく、幸村が隣を陣取り、必要以上に彼に密着していたからだ。
座っているベンチに膝立ちになり、両肩を抱くようにして張り付いていた。
真田も抵抗すれば良いものを、これまた出来ない理由があり、なすがまま、なされるがままだった。
仁王が、熱過ぎる恋愛モードのオーラを振り撒き散らしている二人に苦言……もとい、ちょっかいを出そうと近寄った瞬間、幸村が五感を奪いコートでのたうちまわる羽目となった。
彼を回収する柳生とジャッカルは肝を冷やし、柳はメモに筆を走らせ、丸井と切原は柳の背にしがみつき怯えていた。

「なぁ……真田ぁ……」

何だ、その声はっ?!
真田以外の全員が、幸村の有り得ない甘え声に驚き、目を真ん丸くする。
柳だけは、ここぞとばかりに開眼し、事細かく様子を書いて行く。
それこそ先程、五感を奪われた仁王ではないが、同じ様な目に遇いそうな雰囲気だが、幸村はわざと見逃す。
それはまるで『書いてくれ』と言わんばかりに、柳だけは自由にさせていた。

「…………」

「今日の真田は、頑なだね。いつもなら直ぐに……」

「いっ、言うな!!その先は、言葉にしなくて良い!!」

漸く声を発した真田に気分良くした幸村は、満面の笑みをして彼の首筋に甘え、鼻先を擦り付ける。一息ついてはずかし気もなく、回りが聞いたら逃げ出しそうな言葉を、真田にだけ聞こえる様に言い放つ。
その台詞が効いたか、顔を帽子のつばで隠して背け、真っ赤になった真田が出来上がった。

「何を言ったんだ、幸村?」

「……知りたい、柳?」

「勿論だ。データとして残しておきたいからな、お前達の様を」

背中にしがみついていた丸井と切原を一緒に引きずり柳は、甘過ぎるモード全開の幸村と真田へ近付く。
もう既に言葉攻めに撃沈している真田は、抵抗する気力も何もかも失っていた。
幸村は彼の鍛えられた身体に触れ、好きなようにしていた。

「教えるからさ……柳の書いてるメモ、記者さんに渡してくれるかな?」

にこやかに恐ろしい事を言った幸村に、さすがの柳も怯んだ。
辺りを見渡し、何処かに居るだろう記者の姿を探す。

「今日は取材、無いんだよね……だから渡して欲しいんだ。幸村精市の日常として」

そう言った彼の笑顔は、この燦燦と輝き続ける太陽よりも艶やかで、この世で一番の幸福者だと語っていた。







Scoop?! / 20110327






勿論、突撃!月刊プロテニスを聞いて(笑)
しかも、現在進行形。

世間様とはワンテンポずれている桜岡、今頃ブームっす!!

「皇帝の〜」のくんだりで真幸きた!!とか悶えてます。
しかも…歌詞カード見てないので?ですが…
皇帝の「肌」ですか?「肩」ですか?「花・鼻」ですか?芝さん?!と聞きたい。
むしろ皇帝〜も間違ってるかも知れん。
こっちの「校庭」かも?!


そんなこんなで、絶対聞き間違えている「皇帝の肌」から、こんな話が出来ちまいました。すんません。

すごい耳してるよ、桜岡!!と笑って頂ければ……良し、かな。ははは。



……今、落ち着いて聞いたら『校庭の花』だっ!!
思い込みって、こわーいっ!!


イベント会場では聞いてなかったんですが、一人ぼっちの行き帰り、延々とプロテニス聞いていたのでありました(笑)←笑って良いのか?!




オバカな立海さんで失礼致しました……
こんなお話でしたが、お付き合いしてくださった優しい、寛大な方々へ感謝を……
ありがとうございました(涙)



幸ちゃんが言った言葉

真田の匂いがする……です。
自分で書いてて恥ずかしいです……










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