の戴冠・おまけ





「すまん。お前まで俺の誕生日に巻き込んでしまって……」

真田は、手荒い扱いをされた幸村を膝上に置き、頭を下げて謝る。
口元を封されている所為で言葉を出せない幸村は、代わりに首を振り、真田は悪くないと訴えた。

「……っ、ふあっ!!覚えてろよ、倍返しにしてやる!!」

余程苦しかったのだろう、口に貼られていた物を剥がしてやると、思い切り息を吸い込み怒りを露にする。幸村の立腹を宥める事を敢えてせずに真田は、手足の自由を奪っている真白なリボンを解いてやった。
数分振りに自由を取り戻した手を握り込み、ボキボキと指を鳴らす幸村を見、明日は大変な事になりそうだと、この騒ぎの大元は心中で溜息を零した。

「俺の所為で迷惑を掛けた。幸村、許して欲しい」

膝上から長椅子へと彼の身体を移した真田は、その眼前に立ち深く頭を下げ再び謝罪する。

「……いもん……」

「ぬ?」

「真田は、悪くないんだってばっ!!」

俯いて聞き取れなかった言葉を問い質してみれば、彼は顔を勢い良く上げ、驚くぐらいに大きな声を立てた。
顔を真っ赤にして叫んだ幸村は、呆気に取られている真田の身体を長椅子へと沈める。そして、彼の膝上に自ら座り、花冠を戴いたまま首筋に腕を絡めて抱き付いた。

「人にされるんじゃなくて、俺から……」

――――こうやって、真田の誕生日……『おめでとう』ってしたかったんだ。
しっかりと腕を絡め、離れようとしない幸村へ真田は、その心が何よりも嬉しいと――――耳元で囁き、愛しい人の背を優しく抱き締めるのだった。







20100518



***




部室を二人きりにして、出ていった人々は…しっかり、ちゃっかり、この様を覗いていたのでした(笑)

そして、恐るべき立海テニス部・部長の逆襲が始まる……ぎゃっ!!


おまけ不要かも…と思いましたが、あのままもなぁ、な感じで付け加えてみました。滝汗。


ちゃんと幸ちゃんから『おめでとう』言ってなかったですし…ね!!






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