いつも私は変。

どんなに頑張っても純粋に人を愛せないみたい。

ちょっと狂っちゃう感じ。

とても難しいのね、恋って。


「ね、メーちゃん」

「え、何?」


今日は私のお屋敷でお茶会。

色んな人を呼んだけど本当の目的はメーちゃんを呼ぶため。

他の人は正直いらないけど、メーちゃんが淋しがっちゃうから。

でも二人だけのお茶会もいつかはしたいな。


「R.Q、こないだ買った新しいお茶が飲みたい」

「解りましたお嬢様」


メーちゃんがさくらんぼが好きっていうからわざわざ買ってきたチェリーティー。

気に入ってくれるといいな。


「アリシア嬢はメル嬢がお気に入りなのかい」


私の隣に座るテッドが尋ねてくる。

別に嫌いじゃないけどよく分からないから好きでも嫌いでもない人。


「もちろん、メーちゃんは私のものなの」

「そーなの?」


反対隣に座るメーちゃんが首を傾げながら聞き返す。

あぁ、可愛い。

他の男に取られる前に、なんとかしなきゃ。

閉じ込めるとかここで雇うとか。

「お嬢様、お茶の用意が」

「有難うR.Q、メルのカップに注いで」

「えっ?」


カップへ注がれる飴色の液体、舞い上がる湯気、ふわりと広がる甘い香り。


「メーちゃん、こないだの誕生日、遅れちゃったけどプレゼント」



大好きなチェリーティーに優美なる毒を添えて。


憂鬱


彼女の内心を彼女は知らず。




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