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「#エロ」のBL小説を読む
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腕を強い力で引かれる。
当たり前だ、彼はバスケ部しかも強豪秀徳高校のエース様である。そりゃあ手が痛いわけだ。彼の利き手は左手あるけれど、あの長距離弾道シュートを放るためには右手だってそれ相応の握力がいるのだろう。
また歩幅も違いすぎる。
彼の身長は195cm、私は165cm。私だって普通の女の子よりは背が高いほうだ。高尾と10cmちょいしか差はないのに、この男にかかればなんと30cm差だ。いや、むしろ高尾と歩いてたって彼氏彼女に見えるだろう。高尾が女装していれば、だけれど…

「ちょっ、しんちゃん、部活は?」

「うるさい。あったらこんなことできないのだよ。」

ずんずん進んでいくから、私はもはや駆け足状態である。普段なら部活がオフの日でも練習していくはずなのに、高尾との名物チャリアカーにドヤ顔で乗っていくはずなのに…

そんなことを考えていると気がついたら結構な豪邸の前にいた。え、広い。表札を見ると緑間と書いてある。あ、え、もしかしてご自宅ですか?

「入れ」

「えっ、いや、ちょっと待って!!あ、ほらご両親とか…」

「仕事で留守だ。」

「い、妹さんは…?」

「保育園だ。当分誰も帰ってこない。」

がチャリと錠の外される音が聞こえた時には私は家の中に引っ張り込まれていた。背後でガチャリと音がした時にはそのまま扉に背中を押し付けられていた。
バサリと音がして、今度は肩にかけていた鞄が落ちた。

「ちょっ、しんちゃん…」

「なんだ」

「顔、ちかい…」

端正な顔が目の前に会って、ドキドキしすぎて目をそらした。普段恋愛に初心なくせに、今日は一体何なんだ。

「なぜ?高尾ともこうしていたではないか。」

「あっ、あれはっ!!んんっ…」

ぶつかるように唇を奪われ、言わんとしていた事は彼の唇の向こうへ消えていった。そのまま強引に唇を食まれて、ぴくんと身体が跳ねた。唇を割られて舌が差し込まれる。恋愛に奥手な彼がこんなキスをするのは珍しい。

「っはあっ…違うの、しんたろ…」

やっと唇が離れた時には息が苦しくて瞳が潤んでいた。
それに、少し真太郎が動揺している。

「そんなに、嫌だったか?」

「違うの、真太郎。高尾が壁ドンしてたのは映画の撮影よ!!」

ぱちくりと目を瞬かせる真太郎に言い聞かせるように言葉を続けた。

「文化祭のコマ撮り映画のワンシーン!!だから壁ドンだけでキスなんてしてないのっ!!」

頬が赤くなっていく。たしかにあの時はふざけてやっていたし、高尾もこのままちゅーしちゃう?なんて冗談を言っていたけれど、真面目に考えたら真ちゃんに殺されるわ、俺って言って青ざめていたくらいだ。本当に唇は許していない。

「本当なの、なんなら高尾に聞いてみてよ!」

「分かった、もういい…」

必死の訴えに真太郎はため息をついた。若干頬が赤い。普段大きくてかっこいいのに、こういうところは可愛いからズルい。最近はやりのギャップ萌えってやつだ。口元を押さえてそのままへなへなと玄関口に腰掛ける。

「それでも紛らわしいことはやめるのだよ」

「うん、ごめんね」

「大体、お前は女だろう?女が軽々しくそういうことを許すものではない。それに…」

「真太郎」

長々とお説教を始めそうな真太郎の言葉を遮って目線を真太郎に合わせる。と言っても背の高い彼だから屈むくらいで丁度いい。

「妬いてくれたの?」

「なっ!!うっ、うるさいのだよっ!!」

図星だ。うちのエース様はツンデレの王様だと高尾が言ってたけれど強ち間違ってない。


「嬉しいよ、真太郎」

そう言って今度は私から口付ける。私が真太郎の上唇を食むと、真太郎が優しく私の下唇を食む。

ねえ、真太郎。

少しは私の気持ち、分かってくれた?

優しいキスは段々激しくなっていく。
広くて逞しい真太郎の肩に回していた手で彼の頭を抱きしめた。緑色の髪は相変わらずサラサラだ。その紙に指を埋めると、真太郎の鍛えられた手が私の腰を引き寄せる。


「ね、しんたろ…」

唇が少しだけ離れて、互いの吐息が感じられるくらいの間隔で、彼だけに聞こえるように囁いた。

「もっと…」

























食らって、食らいつくして







貴方の気が済むまで、貴方が安心できるまでずっとずっと触れていて


奪うような、奪われるような口づけが私を満たしていく。そしてそれはきっと彼も同じなのだと思うと、言いようのない幸せがこみ上げた。











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青さまへ

こんばんはm(_ _)m
RiERaです!
リクエストいただいてからだいぶたってしまって大変申し訳ございません(・_・;
今回は緑間宅でがっついた感じでキス、という感じのリクエストでしたがいかがでしたでしょうか?
真ちゃんは嫉妬してくれないとあんまり動いてくれなそうなイメージで、逆に言えば嫉妬したら本能のままに動いてくれるのではと思ったらこうなりました!(*^^*)
楽しんでいただけましたなら幸いです。お気に召さない点などございましたら修正させていただきます!m(_ _)m
こんな管理人とサイトですが、また遊びに来ていただければ幸いです。

この度は本当にリクエストをありがとうございました!
これからもよろしくお願い致します。







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