はじめまして、私花宮名前といいます。 えっと、年は20で身長は158cmです。 あ、体重は聞かないでください。 というか、怖くて測ってないです。 真くんいわくチビデブらしいので。 でも真くんは背も高いし、筋肉だってバランス良くついていてモデルさんみたいなので、彼から見たら大体の人はみんなチビデブなのではないかと最近思ってしまいます。 あ、話がそれてしまいました。 私の誕生日は1月24日で、職業は大学生兼主婦です。 趣味はピアノとバレエで、特技は… そうですね、あ、フェッテ・ロン・ドゥ・ジャンブ・アン・トールナン(白鳥の湖という作品の中で黒鳥のバリエーションでやる32回転の技の正式名称です)が40回できます。 出身高校は真くんと同じ霧崎第一高校です。 大学での専攻は史学ですが、得意科目は数学でした。 たぶん真くんの教え方が上手だったからだと思います。 バァカバァカと言いながらも質問すれば答えてくれる真くんはやっぱり優しいです。 あ、忘れていました。 苗字で分かると思いますが、真くんは私の旦那さんです。 私の20歳の誕生日に二人で役所に婚姻届を出しました。 友達の前ではバカとか言ったりしない(恐らく心の中では思っているでしょうが)ので友人からの評判はとてもいいです。 なんだかんだで迷子にならないよう手を繋いでくれたり、電車では人から庇ってくれたりもします。 本当、さりげなく優しいのですがそれを本人に言うと照れているらしく暴言が飛んできます。 完全に心を開いてくれるか、遠い関係であればとてもいい人だと思いますが、中途半端に近い距離だと沢山暴言を吐かれるらしいです。 中学、高校とバスケをしている時は少し怖かったり、相手の人に怪我をさせたりもしましたが、今ではそんな事もないです(私の知る限りでは、ですが)。 因みに誕生日は1月12日なので、誕生日プレゼントをあげても約二週間後にはそれ以上のプレゼントが返ってきます。 え、休日のデートですか? そうですね、色んな所に行きました。 遊園地とか、水族館とか、動物園とか。 あとはバスケットの試合を見に行ったこともあります。 いつもあんなバカっぽいところに行くのは嫌だとかなんだかんだ言いながらも連れて行ってくれる彼に、ささやかな私なりの恩返しのつもりでしたが、バーカと言いながらも少し嬉しそうだったので私も嬉しかったです。 もっと彼について詳しく、ですか? あ、チョコレートが好きです。 けれどカカオ100%の物に限ります。 特技はダーツで、そう言えばこの前ダーツバーに連れて行ってもらいました。 私は全然できませんでしたが、真くんは楽しそうでしたし、ダーツを投げる姿がとてもかっこ良くてきゅんとしてしまいました。 あと、とても頭がいいですよね。 それから、運動神経もとてもいいです。 特にバスケットはとても上手でした。 ラフプレーなんてしなくてもかっこいいのにってずっと思っていますが、言う勇気はありませんでした。 そんな人から恨まれるようなことしなくてもいいのに… 本当はいい人なのに誤解されそうで、ちょっと怖いです。 「あとは…」 「何やってんだ」 突然の不機嫌な声に彼女はピクッと肩を震わせ、目の前の眼鏡をかけた男はさらににっこりと人の良さそうな笑みを浮かべた。 「あ、えっと、真くん…早かったね、講義は終わったの?」 「あ?んなわけねーだろバァカ。」 「え、じゃ、なんで…」 「おお、久しぶりやなぁ、花宮」 その笑顔を名前はいい人そうだととらえるが、花宮に言わせれば不気味な笑みである。 「あんた、こんなところで何してんだ?」 「ん?ワシ、名前ちゃんの友達と仲良しでな。そんでその子から名前ちゃんのこと聞いて、会ってみたくなったちゅーわけや」 笑顔を浮かべる男こそ、花宮が最も嫌がる人物と言っても過言ではない男今吉翔一。 花宮の中学の先輩だ。 花宮はかつてこの男を「人の嫌がることをさせたら随一」と評したが、今花宮にとってはまさに嫌がらせをされている状況である。 「ほんで、名前ちゃんに自己紹介ついでに花宮のこと話てもらって盛り上がってたんやわ」 花宮はチッと思いっきり一つ舌打ちをした。 とにかくイライラする。 「けどまあ、彼氏のお迎えも来たことやし、邪魔者は退散しますわ」 そう言って今吉はテーブルに千円札を三枚。 「あの、お金っ…」 「ああ、ええて。こー見えてワシ社会人やから。花宮とこれでゆっくりお茶でもしいや」 またな、と右手をひらひらとさせて今吉は去って行った。 「あの、真くん…」 「学習しろよバァカ」 開口一番にそう怒られ、彼女は目を伏せた。 ああ、どうしたら彼の機嫌は直るのだろうか? けれどその前に彼に謝らなければ。 暴言に隠れた彼の愛 本当は心配してくれていたんでしょ、知ってるよ だから彼女は甘んじて彼の暴言を聞き続ける。 ーーーーーーーー リア友の誕生日プレゼント第二弾シリーズ二作目 |