自分らしさ、とは。
それが頭から離れない。書類を届ける為に歩いている途中ずっと考えていた。

そもそも私はどうゆう人間なのだろう。前にジャンゴにお前真面目だよな、と言われたのを思い出したが、あまりピンとこない。確かに(自分で言うのもあれだけど)私は真面目な方なのだろう。言われたことには従うし、鍛錬もしっかりしてるし、提出するものはしっかりと期限を守る。

まぁ、そんなんだから元々はクザンさんの部下だったがコキを使いまくる彼を止めるべくセンゴクさんがガープ中将のところへ編入させてくれた。

そういえばクザン大将の所でやっていたときにサカズキ大将にも真面目と褒められた気がする。頭に手が乗った感覚は忘れられない。(死ぬかと思った)
あの人は狂気的な正義を持っていて、それを共感することはないが私は否定する権利はないし、彼は彼なりの優しさ、正義を持っている。ボルサリーノ大将だって、クザン大将だってそうだ。クザン大将も私のことを真面目でいい子だね、だなんて言っていた。

…周りからは、いい子で海賊を根絶やしにする為に頑張っている海兵とでも思われているのだろうか。そう思えば胸が重くなった気がした。


彼と私は、何がちがうのだろうか。

私はヒーローにはなれないのだろうか。
でもしょうがないのかも知れない。そりゃあヒーローが100人1000人いたらもう世界は平和なはずだ。望めば必ずそれが叶う訳ではないのだ。誰だってヒーローになれたら苦労しない。

そりゃそうだ、と自分に唱える。これは言い訳じゃなくて本当の事なんだと。目の前のドアを3回ノックすれば、返事がすぐにかえってきた。



「この書類にサインをお願いします、スモーカー大佐」




一歩入れば独特の匂いが体を包んだ。


望むならそうすりゃいいけどさ
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