小さい頃、迷子になった時があった。
こっそりと海兵に見つからない様に軍艦に忍び込んだ。出航してからすぐにみつかり、このまま島に連れてってと駄々を捏ねて困らせた挙句、中将と手を繋いで島を歩いた。
そしてすぐに迷子になり、いつのまにか街外れの丘に着く。そこに先客がいた。
「お嬢ちゃん、迷子か?」
「うん」
「はははっ」
脚を折り、頭を撫でられる。
「お嬢ちゃん、名前は?」
「おにいさんは?なまえは?」
「あー…そうだな。先に名乗るもんだったな。お兄さんはシャンクスってんだ」
「シャンクス!私はかいへいってんだっ」
「お、おう…覚えがいいな…。かいへい、何処からきたんだ?」
「あのふねから!」
かいへいは丘から見える軍艦に指をさした。
「……まじかよ」
「うん。ばいばい、シャンクス」
「帰んのか?」
危ないからと、途中までシャンクスと街へ向かった。
シャンクスが海賊だと知ったのは、それから私が少し成長して再会した時だった。