いつものようにガープ中将は急に寝始めてしまい、勝敗はお預け。青雉さんはまだ寝ているようだった。
広い部屋に寝息が二つ。それがなんだか心地よかった。
その心地いい空間で、少しだけ、考えた。
私は何をすればいいのかわからなくなったのだ。
私は暴れてた海賊の脚を切った。ただ、それだけのことの筈なのに、間違ったことをした筈じゃないのに、どうしてこんなにも黒いこの淀みが重いのだろう。
キャプテンと呼ばれたその人は、きっと、仲間には優しく頼れる人だったのだろう。あの悲鳴にも近い声を思い出せば、また、淀みが広がる。
大人の男が涙を見せるくらい、私は誰かの大切な人を奪ってしまったのだ。しょうがないことだと知っていても、あの海賊達の悲しい顔が忘れられない。
違う、違うんだ。
あんな事をしたいわけじゃない。誰かをあんな顔にしたかったんじゃない。でも、その他に方法はない。
いったい、どうすれば、
「どうすれば、いいの…」
もし、あの場に、私が居なければ。
そう考えても、何も変わらないのは知っている。
でも答えが、欲しかった。