怪我をした。

打撲はあまり酷くないらしいが、銃弾をくらった肩とお腹は酷いらしく、お腹はもう少しで内臓がやられてたぞと医者に溜息をつかれてしまった。



「……」



ちょうどお昼時。広いこの治療室は人で溢れていた。
怪我人は勿論だが、殆どは見舞いだった。静かなのは私が安静にしているベットぐらいだろう。
まぁ、家族もいないし友達と呼べる人は片手で数えられるぐらい。見舞いなんて来たら逆に怖い。


なんだか周りの人達の表情が暗い。目を瞑って耳を済ませれば、とある海兵が亡くなったという話が聞こえた。
嗚呼、私でも聞いたことあるその名前。男女にも人気だった気がする。だからか、皆の表情が暗いのは。

私は話した事はない。

聞いたことがあるのはきっとフルボディかジャンゴかが言ってたのを少し聞いていたからだろう。
ああ、そういえばあの2人は怪我してないのだろうか。無事に…いや、あの2人ならヒナ大佐がいれば死なさそうだな…なんて。

ああ、なんだか眠たくなってきた。
見舞い用の花の香りが鼻をかすめる。棺桶に入る時はこんな感じなのかな。



誰も私を望まない
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