V
「せんぱい いつからそんな少女趣味になったんですか?」
「?? あぁコレのこと?」
「そうそれです。ピンクな上にテディベアついてる鞄持ってる男子高校生ってかなりの少数派だと思いますけど」
「チカが今日直で行かなきゃなんないの忘れてたらしくってさ。今日も安定の遅刻で俺来たから持ってきてって頼まれて」
「へーそうなんですか」(チカ……先輩の話で何回も出てきたし会ったことあるけど結局関係が分かんないんだよね。でも忘れ物頼まれるって事は家近いよね。なら幼馴染みかな……)
「確かにちょっと周囲の視線が痛いわ。 次社会科講義室だからーって言われたけどホント早く来てくれんかな」
「社会科ってことは文系ですか その…チカさん?は」
「いやー? 教室が社会科なだけで理系物理だよアイツ。今から数Vみたいだし」
「そーなんですか。せんぱいと同じですねー」
「まぁなー やっぱりそういうとこは「あっマサキごめんね助かった〜!」ごだから似たかもなー おーやっとお出ましか」
「え?せんぱい今の聞き取れなかったんですけど」(膝上15センチかスカート短ぇなおい。え?先輩こんな感じが好みなの?クールビューティー系が好みなの? ってどっかで見たことあるような)
「ホントありがと。バレエいけないとこだったよー っと、こちらのおにゃのこは?」
「部活の後輩の岡田ちゃん。ほら俺がやらかした時に居た子」
「初めまして岡田千鶴子です せんぱい、この方は……?」
「あぁこの二つくくりと主張するツインテはな」
「山神知花です。こいつの妹。こんな抜けてる奴だけど仲良くしたげてね! 嫌なことあったら八つ当たりしていいからね!!」
「ちょ 勝手に八つ当たり要員にすんなし」
「おだまり兄上。この化学のノートが目に入らぬか」
「うぐっ… いやありがとうだけど」
「え? さっき数3って言ってはったってことは3年でしょ。ん?せんぱい二年で妹が三年?あり??あっそっかせんぱい留年してるから……あ、ってことは」
「そう、私ら双子な訳です。あんまり似てないけど」
「確かにあんまり似てはりませんねー 」(双子か良かった……って何で安心してんだろ。あれか?私先輩好きなのか? いやいやまっさかぁ)
「うぎゃっ」
「いやぁかわいいねー千鶴子ちゃんって」
「チカ、女の子の髪グシャグシャにしたんなよ」
「あーごめんごめん ホントにかわいいんだもん妹に欲しいくらい」
「は はぁ」
「ちょ、チカあと数分でチャイム鳴るけどテストとかあるんじゃねーの?」
「ぎゃー忘れてたやっば! まったねー!お千鶴ちゃんアディオス!!」
「……せんぱい。妹さんってあれですね謎な人なんですね」
「まぁ、一般ぴーぽーよりちょっとずれてる感はある かもな」
「あ、ではまた部活で」
「んー じゃーなー」
(先輩の妹のあのにんまり顔はなんかムカつく)
(なんでだろ。なんかわかんないけど見透かされてるみたいだ。なんかわかんないけど。)