【血飛沫は】壱時間目【私のメイク】
赤いタイに金のボタン

赤のライン

そして赤い名札



それが日本魔術専門学校もとい朝宮学院HLRクラス(Highest level research class)の特徴だった
通称は"第四コース" "だいよん" "最水" "赤い奴ら" "エリート()"

要するに超絶器用貧乏を生産するクラスだ
大体非魔法族の技術と魔術の全てを網羅(但し文理と偏りはあるが)なんて無茶に決まってるのに
お陰でこれから毎日勉強の日々だ。まぁ望んでたことなんだけどね


中学高校の制服は通常、水色や青のタイやラインだ
だが最水は中高一貫して赤い色だった
区別するまでもなくその人数が少ない為だ
魔力の大きさとIQの高さ、その他諸々が考慮されて決定されるらしい。よく知らないが
今年は私とあともう一人雲寮からだけだそうだが。
去年は誰も該当者はいなかったらしい
だからまさか転校したばかりの私が入れるとは思ってもみなかった………とはあんまり思わないが、二人いたのには正直吃驚だ




青の中にある赤。だからかなり目立つ
最水の生徒のみが手続き無しに立ち入ることの出来る、最水専用校舎
最水の為に用意される(主に最水卒業者の寄付金からなる)通常クラスの数倍になる研究費

小学生の時は特別扱い過ぎじゃない? と思っていたが自分がなってみてその理由がよぉく分かった


何よりホントに優秀だ。雪城センパイがその代表格。ホントに格が違う。いろんな意味で





「三代川だよな?」
「ちょーっと来てくれる?」


何これテンプレなイジメぇ?
確かに私はついこの間ダームストラングから転校してきたけどもよ。確かに最初に受けたテストで梅寮一位なったけどもよ

まぁそんなにも恨みかいましたぁ?………そう言えば買いましたっけ☆ミ


ぞろぞろとお暇なこって。恐らくは中等部と高等部、他にも"式憑き"が中心だろう
中等部からの式神作成学だが、初等部でも生まれつきで式神が憑いている人間は少数いる
そしてその更に少数は傲慢で、他人に式で暴力をふるう事があるそうな

つーか ハッキリ言ってグレるってこと



面倒だよなぁマジないわーダサいわー今から中等部入学式の幼気な女の子に対してよぉ
そんな事をぼうっと思っていたら彼らが口を開いた
つーか前から開いてたけど。漸く私の耳に入った言葉がそれだった
ったくね、だって聞く気なかったし
だけどそれは地雷だお?!


「琉希亜ってさぁ ブ○ーチじゃね?」
「うわめっちゃキラキラじゃん! つーかDQNネーム?」

うるせぇよ 私が一番気にしてる事をよくも………
ふつふつと怒りが沸いてくる
10数人に囲まれて しかもここには誰もいなかった  だって裏道通ってたし
だから 誰も助けてはくれない
…………この馬鹿達を


「てめーらよく聞けぇ?
うーちーはー!  第九十一代三代川家当主が娘 そして次期当主候補っ
三代川ルカ様だぁ!!!」

私はニヤリと笑って彼らに飛びかかった





血が飛び 人間が幾人も倒れている
宣言から十数分後 漸くいたぶるのを止めて全員失神させた
全く 杖もまぁまぁ便利だよねぇ  あんまり好きじゃないけど
伸びをして 入学式会場へ向かおうとした

がさり と茂みが蠢く
取り逃がしたかとそちらに失神呪文を放つと 赤いスカーフが見えた
外した訳はないので どうやら札を贄として 光線を吸収したらしい

「君が三代川さん?」
「そーだけど あんたが雲寮の姫紙?」
「うん どうやらお互い災難だったみたいだねぇ」


そう言って彼女もとい姫紙はくるりと周りを見回した
どうやら彼女も囲まれたらしい
頭に葉っぱが乗っていたり 膝に泥が付いている
ただし 彼女は逃げて 私は応戦したのだが

「だってさぁ 暇だったんだもん
虫螻共も血祭りにされてよかったじゃんかぁ」
「うんー 私は鬼ごっこして遊んであげたよー 私が鬼だけど」
「そっかぁ うちはその場から動きたくなかったんだぁ★」
「私はちょっと太ったから丁度いいかなぁって思って★」


ニコニコニコニコニコニコしながら交わした会話
そして感じたのは こいつなら上手くやれるだろうという確信と 面白そうだという感想
私達はどちらともなく手を差し出した

「私は姫紙柚良 勿論登録名だけど」
「うちは三代川琉希亜 って登録名になってるけど ルカだから
ルキアって呼んだら怒るからね?」






果たして 入学式には遅れる事になったが仲良くなれた二人
笑みの怖い赤×2は これから先二人で馬鹿の青を蹴散らすことになる


だがそれは今のところ 神のみぞ知ることだった

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