「はー食った食った。」
「やっぱ定期的に外食はしてえもんだな。」
「うん、うまかった。日本のファミレスなんて久しぶり過ぎて感動したし。」
「あー外国いたとか言ってたなそういや。戻るつもりあんのか?」
「うん、まあ…。」
「ふーん…。いつ頃帰るんだ?」
「さあ…ちょっと分かんないな。それに外国っつーか…あれだし…。」
「なんだよ?」
「いや何でもない。」
「んだよ気になるな…。」
「まあまあ、んなことよりさ。デザート頼もうぜ!ストサン頼もうストサン!」
「えー高ぇじゃん。」
「なんだよ、折角貰ったカードなんだし有効に使おうぜ。」
「俺は別にいらねーから食いたいならお前だけ食えよ。」
「つれねぇな全く…。後で食いたいっつってもやらねぇからな!お姉さん!ストサン一つお願いします!」
「ストサンなー…。」
「サイタマ、ストサンを馬鹿にしたら駄目だぞ。ストサンは偉大だって常識だろ。」
「知らねーよ。」
「ストサンは凄いぞ。厄介な悪魔を一発で手懐けられる強力なアイテムだからな。」
「いや何それ。初耳だけど。」
「とにかく、甘い物は正義ってこと!サイタマだって甘い物好きだろ。」
「トモキ程じゃないけどな。お前大概甘党だよな。」
「俺なんて全然大したことないよ。元々甘党じゃなかったし。」
「へー。」
「周りが甘党だから影響されたっつうか。」
「周りって?」
「友達というか家族というか仕事仲間というか…。腐れ縁?」
「なんで疑問系なんだよ。」
「朱に交われば赤くなるって奴だな、まさに。ストサン大好物なの。」
「へー。じゃあ見事に染まってる訳だな、お前は。」
「まあストサンは普通にうまいからね。」
「否定はしねーけど。」
「だろ!?早く来ないかなー!久しぶりだなーストサン!」
「……。」
「む。なんだよ。口に食いカス付いてる?」
「いや、なんか新鮮だなと…。」
「何が?」
「ファミレスでここまではしゃげる奴見るのが。」
「…サイタマ。それ俺のこと馬鹿にしてる…?」
「ん?違うな…。何だろうな、誰かとファミレス来るのが新鮮なのか。」
「なんだそりゃ。サイタマに彼女いなそうなのは分かるけど…。」
「殴るぞお前。」
「殴らんといて。なら家族とは?来ないの?」
「あー…3年くらい連絡取ってねーや。」
「家出?」
「就活止めてヒーローになるっつたら勘当された。」
「そうなのか…。でも、さすがに友達とかとは来たりしただろ。」
「…いや…。」
「…。」
「おい、なんだその沈黙は。」
「すみませんお姉さん!ストサンもう一個追加で!」
「やめろ!そんな哀れみに満ちた気遣いいらねぇ!」
「いや、別に哀れんでる訳なくて。」
「じゃあなんだよ…。」
「やっぱり一緒にストサン食いたかっただけ。」
「だから俺はいらねーって。カード勿体無ぇし。」
「知るか。俺はサイタマに食ってもらいたいの。ストサンは1人で食うより友達と食った方がうまいからな。」
「勝手な野郎だな。」
「へへ、なんとでも。」
「…なあ、その腐れ縁ともよく食ってたのか?」
「ん?そりゃね、依頼がよく来て懐が暖かい時は。じゃなきゃストサン好きにはなんねぇよ。」
「ふーん。」
「何で?」
「なんでもねーよ。」




(迷子犬捜索後、ファミレスにて。)

1人より
前 / 次
×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -