私の上司になる人
こうして、私の脱走計画を知る由もない髪の毛がサイヤ人みたいな人について先程まで面接会場であった部屋を目指している。と思う。広すぎてよく分からない。
綱「寅には俺ら幹部の世話係をやってもらうから」
『はい!お世話係慣れてるんで任せて下さい!』
綱「…慣れてる?」
『…あ゙ぁああ!!慣れてるってアレなんです、実は私の兄が人とは思えないほど残忍な男で妹の私は奴の奴隷みたいな扱い受けてたんですよねアハハハハ!!』
綱「えらい恐ろしい目に遭ってた割には語尾笑ってるね」
『あああえっと!これは兄から身を守る術なんですよ!何をされても笑っていれば兄の機嫌を損なうことはありませんからエヘヘへ!!』
綱「なんかこっちが辛くなってきた。あー、じゃあ今この部屋にみんな集まってるから自己紹介してね」
『はーい!』
綱「お兄さんのエピソードは是非言わないでね」
『はーい!』
綱「ちなみに俺は綱吉。ボンゴレのボスだから」
『はい、綱吉様ですね!ボンゴレの…でええええ!!?ボスなの!!?』
綱「知らなかったんだね。すごいね逆に」
ボスってあんた!!私今までボスと話してたの!?敵の総大将じゃねぇか!サイヤ人とか言ってごめん!
綱「それじゃ中に入るよ」
『はーい!』
そういえばボンゴレの幹部の顔や名前を掴めたらそれって結構貴重な情報になるんじゃ…?覚えて帰ったらスパイとしての任務も成功だし!うおおおこれで白蘭様の信頼を取り戻せるぞおお!ああきっと泣いて喜ぶだろうな!それはそれで気持ち悪いけど!
綱「皆に新しい使用人を紹介するから集まって」
わー!なんか皆若いな!同い年とかそんな感じばっかりだ!スパイなんかじゃなかったらロマンスの1つくらい生み出したいところだよ!
綱「んじゃ自己紹介して寅」
『はい!初めまして、寅と申します!まだ若いので至らないところもあるかもしれませんが、どうぞ宜しくお願いします!』
ヤバイ私完璧だ。皆が私を見てる!見ろ、このミルフィオーレでつちかったピチピチ笑顔!どれだけ白蘭様にいじめられてもこの顔で乗り切ってきたんだから!
『何か質問があればジャンジャン受け付けちゃうぞ☆』
雲「この子自分のキャラをどうしたいの」
綱「あ、そういえば寅の顔に青のり付いてるよ」
『そう!実はこの青のりが今日の……』
青のりだとォォォォ!?!?
青のりって!絶対今朝食べたたこ焼きじゃねーか!白蘭様言ってよ!絶対知ってて送り出したよあの人!
ていうか私朝から面接受けに来た人とか面接官とか色んな人と会ってたのに誰1人教えてくれなかったの!?ひでーなオイ!あの面接会場の冷ややかな空気にはそういう意味も含まれていたのか!!綱吉様なんてそういえばって言ったしね!以前から気付いてたってことだよね!見ろよこの青のり、カッピカピやぞ!!カッピカピやぞ!!私がゾクゾクする!
『もっと早く言って下さいよ!とんだ恥さらしですよ!』
綱「あそこまで口に青のり付けてる子もそういないと思って」
『人のこと記念物みたいに言わないで下さい!だいたい悪いのは朝口に思いっきりたこ焼き詰め込んできた白――…』
綱「びゃく……?」
やっべえええええ!!!
『びゃ………びゃっびゃっびゃっびゃ』
綱「何それ」
『ごめんなさいちょっと思い出し笑いです』
綱「笑い声だったの!?」
『まぁ私の自己紹介はそんな感じですよ。それより皆さんの紹介して下さい!ね!』
綱「あぁ……じゃあみんな適当に自己紹介して」
ラ「では俺から……ランボです、宜しくレディ」
そう言うと、手の甲にチッスされた。
『うひゃああああああ』
綱「気味の悪いリアクションだな…。はい次」
了「笹川了平だー!!今イタリアには筋肉留学に来ているぞぉお!!」
『え………いやあのマフィアは……』
綱「気にしないで。そういうキャラだから」
『どんなキャラ!?』
綱「きんに君的ポジションて意味で。はい次」
獄「俺は獄寺隼人、10代目の右腕だ!」
綱「こいつは無視してて」
獄「10代目!?」
雲「僕は雲雀。好きな物はハンバーグと鳥。嫌いなことは群れること」
『お、さっきの面接官の人だ!』
雲「そうだよ。ところで君確かハンバーグさぁ、」
綱「ハイ次山本ですよ」
山「ん、俺ぁ山本武。宜しくな!」
『お、さっきの面接か……でぇえ!!?幹部!?』
山「そだぜ?」
うわああ下っ端かと思ってた!とんでもないよ私!!
骸「僕は六道骸といいます。好きなものはゲームとチョコ、嫌いなものはマフィアですかね」
『なんでマフィアやってんの!?』
綱「まぁまぁコイツのことは空気みたいな存在とだけ思っといてくれればいいよ」
『空気ですか……』
骸「ちょ!」
綱「とまぁコレで全員の紹介が終わったわけだけど、みんな仲良くするように」
全「はーい」
『何この担任の先生的仕切り方』
綱「じゃあ寅の部屋に案内するからついてきて」
『はい先生!じゃない!!間違えた!』
綱「なんで」