アレの気配ありけり
こうしてボンゴレ御一行と白蘭さま入江隊長そして隊長の肩に乗っかったアレはイタリアへと帰っていったのでした。
白「ストォォップ。はい止まってー。まだ誰も帰ってないじゃん。舞台は依然日本のままじゃん。"こうして"っていったい何がどうしてそうなったのさ」
『細かいことはすっ飛ばしてさっさとイタリアへ帰りたい私の怨念がナレーションとなって姿を現したんですよ』
正「それは分かったけど何故僕が幽霊を連れ帰ったことになってるのさ」
『隊長今の言葉禁句ですよバカ。アレの名を言いたいときは遊麗、とか思わず口にしたくなるような美しい単語を選んでから発してください』
正「それ文字の上だから出来るってこと分かってる?」
『とりあえずお二人とも、これ以上面倒起こさないでくださいね頼みますから。きっと忘れられてると思うから言いますけど一応私病人ですので』
白「やだなぁそうやって心配してオーラ出さないでよ。いやらしい」
『ツッこむ気力ないんでもう寝ます』
白「寝てるヒマあるなら死ぬ気で僕に接待しろよ」
『どんだけサディスティックなんですか…』
白「そんな僕から素敵なお知らせだよ!」
正「絶対いらんこと考えてますよこの人」
白「名付けて!今夜は寝かせないぞ☆一晩中語り合おうインジャパーン!」
『バカですか』
正「寝ますよ」
白「ちょ!ノリ悪!てか何その反応!?君達いくつだよ!旅行といったら夜通ししゃべくるのが若者の取るべき行動でしょ!まだ9時ですけど!なんだよ君らさぁ!まるで長年連れ添った老夫婦のような連携プレーで僕のもとから去ろうとしてさ!Sは打たれ弱いって沖田くんも言ってたでしょ!」
『長っ。私ら引き止めるために必死か』
白「そんなに寝たいなら二人で順番でもいいからさ、寅チャンと喋ってる間は正チャン寝ていいよ!」
正「そんな奇妙なシフト制で納得なんかしませんよ」
白「もーそんな酷いこと言うなら正チャンなんか知らないから!勝手に寝れば!?行こう寅チャン!」
『はっ!?嫌ですけど!?私も寝ますけど!?』
白「正チャンの寝てる傍で津軽海峡冬景色歌ってやるんだから!覚悟しろ☆」
正「了解でーす」
『滞りなく了承されちゃったよ!?』
白「憎たらしい正チャンめ。こうなったら歌ってやろう寅チャン!いくよ!」
『ちょ…隊長寝てる場合じゃないですよ、白蘭さま暴走し始めたんで止めて下さい』
正「ぐー……」
『寝たの!?寝つきのよさが乳児レベルだよ隊長!自分のことしか考えてないその幸せそうな寝顔踏み潰したいよ!』
白「その衝動を歌で晴らそうと寅チャン!つンがるかいきょーお〜、ふうゆげーしき〜い」
『ちっがうよ白蘭さま!つがあるかいきょうぉううぉううぉう、ふうゆげぃえぃえしきぃいぃいぃですよ!』
白「何そのわざとらしいビブラート!下手くそ!」
『どんだけはっきり言うんですか人が気持ちよく歌ってるのに…!もういい傷つきました!隊長が私に白蘭さま押し付けて寝てしまったことに対する怒りで歌に付き合いましたが私もう部屋帰って寝ます!おやすみなさい!』
白「何言ってんの夜はこれからだよ若者よ!レッツパーリィ!」
ガタッ
『「!?」』
正「……ぐー…」