夢のトリオ結成3

----夜

『あああの白蘭様?やっぱりやめませんかこんなの。罠ですよコレ落とし穴とか仕掛けられてますよ多分』

白「大丈夫、罠であっても僕には寅チャンと正チャンがついてるから」

正「そうですよ任してください」

『そんなこと言ったって私ただの病人ですよ、隊長だってパジャマとメガネしか装備してないのに一体私達が何の役に立つというんですか』

白「そんなこと言って寅チャンおばけ怖いんじゃないの?弱虫だねーヘタレヘタレ」

『おばけ…?おばけがなんですか、そんな不確かなものより人間の方が遥かに怖いと学びましたよ私』

白「えらいえらい」

正「いい子いい子」

『適当じゃん。みんなホントは私のことなんかどうでもいいんだ』

正「あ、あそこじゃないですか?」

白「ほんとだ!」

『ちょっ待って下さい無闇に突っ込んだら敵の思うツボですよ!ここはじっくり作戦を練ってから結果的に撤退しま、』

白「肝試しなんて久々だぜヤフゥー!」

正「あ、本山サンこっちこっちー」

『あ゙あぁもう!!私もアレくらい気ままに生きたい!!』

骸「おやおや寅、クフフ目が真っ赤ですよ怖いんですか?いいこと教えてあげましょう、てのひらに"骸さんかっこいい"って3回書くと怖くなくなるそうですよ」

『…いいえ怖がってる暇なんかないんです。私…私はここへ遊びに来てるんじゃないんだから……!!』

骸「じゃあ何しに来たんですか」

雲「ハイハーイ肝試しのペア決めるクジさっさと引かないと咬み殺すよ」

山「雲雀張り切ってんなー、あのクジあいつが作ってきたんだぜ」

『く…クジ引き!?』

何その運任せな展開!?これじゃ私がどんなに頑張ろうと意味ないじゃん!雲雀様め余計な物こさえてきやがってええ…!万が一…万が一白蘭様と綱吉様がペアになっちゃったらどうしよう!!この世の終わり!死人が出る!あああどうかあの二人をペアにしないでええ!!


『………だからって』

白「偶然だねーまさか寅チャンと一緒とはねー」

綱「人数的に1人余る計算だし…仕方ないか」

だからってなんでトリオなんですか神様ァァァ!!!


白「さっ僕らの番だよ行こうか」

『…あのやっぱり私熱が36℃あるみたいなんで早退していいですか』

綱「だから普通じゃん」

白「寅チャンはホント怖がりだなぁー」

綱「ホントですねー」

くそっコイツら笑顔で何考えてんのさ……!腹の裏探り合ってコレだからマフィアって!この状況、さっきこの二人が組んだら死人が出るって言ったけどその役目紛れもなく私に降りかかってくるどうしよう!

綱「………で?」

『っ!?』

綱「白田さん、何か俺に言いたいことがあるんでしたっけ?」

白「……僕の『あ゙あああ綱吉様この肝試しって脅かし役とかいないんですかね盛り上がらないよねコレじゃ夜の散歩だよねアッハハハハハー!!!』

綱「寅うるさい」

白「…まぁ僕の方は後でいいよ。それより君も何か僕に用があったんじゃないの?」

綱「じゃあ俺から話しましょうか。実は『ぎょオオォォォちょっ今見ましたかそこの木の陰になんかいましたよね何かYou Ray的なものがこっち見てましたよね怖えええアッハハハハ!!!』

白「寅チャンさっきからなんなの。いきなり大声なんか出して幽霊なんかより君の方がよっぽど不気味だよ?まったく、何しにここまで来たんだか……」

『肝試しですよね!?私間違ってませんよね!?』

綱「白田さん、コレです」

白「………!」

『……あっ!?綱吉様ソレお兄ちゃんの携帯じゃないですか!なんで今持ってんですか実は今朝から行方不明で…』

ん?なんか朝もこんな話したな、もし綱吉様が失くした携帯持ってたりしたらヤベェーよね白蘭様の正体バレちゃうかもねアッハッハとか言ってたような………

え?


『なんちゅーモン持ってんですか綱吉様ァァァァ!!!』

綱「昨日の夜、寅が気を失って部屋に戻ってった後に俺達もホテルに向かったんだ。そしたらフロントの辺りにコレが落ちてて。この携帯、白田さんのですよね?」

白「…そうだね」

綱「いけないとは思いつつ、誰の物か確かめるために中を見させてもらったから」

『ええええええ!!?』

や、ヤバい……!いくらアドレス帳のグループを下僕で一括りしていようとよく考えるとソレ自体が一番怪しいじゃねーかコノヤロー!

綱「これ……アドレス帳、下僕が沢山いるようですけど」

いきなり確信キタァァァ!!!

『つつつ綱吉様!!ソレについてはですね、ホラ見ての通りお兄ちゃんの性格って崩壊してるじゃないですか、人類みな下僕だと思ってんですよあの人!!』

白「寅チャン後で覚えとけよコノヤロー」

綱「下僕の中には寅も入ってたみたいだけど」

白「あぁ下僕はソレ全部家族だから」

『とんだ大家族だよ…!!』

綱「家族全員下僕ねぇ」

白「アレだから僕は地獄のテロリストだから」

『クラウザーさん!?』

綱「…アドレス帳があまりにもカオスだったから色々気になることもあったけど……見すぎたら失礼だと思うんで、コレ返します」

白「ん、ありがと」

『(良かったァァ怪しいところは何もバレてないみたいだ!!キャッホウやっぱアレか、いくら綱吉様と言えども人の携帯をイジりすぎてはいけないという常識を分かってんだね白蘭様と違って!)…そういえば綱吉様はなんでアドレス帳見ただけでお兄ちゃんの携帯だって分かったんですか?』

綱「携帯の裏に白田さんが1人でポーズキメてるプリクラが貼ってあることに気づいたからだよ」

『気持ちわる!?』

白「僕はかっこいいからいいんだよ」

『あ、アレじゃないですか折り返し地点』

白「無視?」

『あーよかった後は帰るだけですね!私実は結構怖がりなんですよ、ただ今日はソレ以上に恐ろしい状況だったので口には出しませんでしたが』

綱「分かんないよ、肝試しはホテルに帰るまでが肝試しだからね」

『綱吉様いつになく本気の目ですね』






『はぁーッ疲れたー!』

白「なかなか面白かったね肝試し」

『冗談じゃないですよ!終始胃が痛くて仕方ありませんでした』

正「まぁね、ちょっとレベル高かったかなあのコースは」

『ところで隊長なんでそんな草だらけなんですか。間違えて野リス用のコースでも通ったんじゃないですか』

正「え?なんか途中に土の中に引きずり込もうとする女の人いなかった?」

『いませんよ』

白「正チャン結構生死の境をさまよった道のり越えてきたんだね」

『それにしても良かったですよね。綱吉様に携帯見られたって最悪な事態でしたけど特に怪しいところは見られなかったみたいで』

白「……そうかな?」

『え?』

白「何も見てなかったら今朝の内に返してくれるでしょ。絶対何かいじくってたね僕の予想だと」

『それは白蘭様が嫌がらせしたからでしょう。毛嫌いするのは分かりますが、いま綱吉様を下手に刺激されると困るんですよ』

白「……分かってないよ」

『はい?なんか言いました?』

白「寅チャンいっつもそうじゃん。別に僕だけが悪いわけじゃないのにさ、庇うのはいつも綱吉サマじゃん」

『…白蘭様、あんた今いくつですか。兄弟喧嘩で不等な扱いを受けた5歳児みたいなこと言わないで下さい。私お二人の保護者じゃないんで』

白「なんだいなんだい!どうせ寅チャンなんて僕より綱吉サマの方が好きなんでしょーっ!」

『うっさいですよもう!4歳児に降格させますよ!…ていうか隊長は?』

白「正チャンならさっき肩が重いから温泉のとこにあるマッサージチェア使ってきまーすって」

『えええ全っ然気づきませんでしたけど!?あの人忍術でも使えんじゃないですか!?ていうか絶対何か連れ帰ってきたでしょソレぇぇ!!』

白「寅チャン一応風邪ひいてるのに元気だねー若いって素晴らしい」

『…ォエッ!!なんか思い出したら気持ち悪くなってきたオエッ!』

白「嘘つけよそんな都合よくオエッてなりゃしないよ人間って奴は」

『うるさいですよその気になりゃオエッもオ゙エエェェってなったりするんですからね私』

白「何この女の子にあるまじき擬音のオンパレード。思えば寅チャン何回ゲロ未遂してると思ってんのさ」

正「ただいまーなんか一向に肩のコリがとれなくて一旦帰ってきたんですけどー。あれ寅ちゃんまだ部屋帰ってなかったの?」

『ギャアアアアア隊長の肩に今なんかいたァァァ!!!』

正「マジで!?」

白「取れないよ!そりゃマッサージチェアどころじゃ取れないよ!神社でないと!」

正「うーんでもこの近所神社ないしなァ…」

『なんでそんな落ち着いてんの!!?』

白「大物だよ正チャン。入江正一の時代が来ようとしてるよ。名前の総画数14画しかないくせに」

正「悪かったなあっさりした名前で」

『いま写真撮ったら心霊写真撮れますかね、賞金もらえますかね』

白「いいねソレ」

正「やめときましょう心霊写真に写ってる人って呪われちゃうらしいですから」

『白蘭様カメラどこにしまいましたっけ』

白「鞄のポケットは?」

正「分かってたよ君達が僕の気持ちなんか3%も考えてないってことくらい」

白「安心してよ2%は考えてるから」



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