夢のトリオ結成2

----翌朝

『…36℃か』

まだ熱は引かないけど仕事で来てるんだからこれくらいで休むわけにはいかない。昨日のこともあるし一層気を引き締めて綱吉様たちと接しないと!

ガチャッ

白「寅チャァァァン!!」

ゔおぉぉおおぉお!!?ちょっ白蘭様!?なに平然と部屋入ってきてんですか!鍵どうしたんですか!そういうところが気持ち悪いんですよアンタは!!』

白「どっどっどう、どうしよう寅チャン…!!」

『なんなんですか……あッ分かった部屋にゴキブリ出たんでしょ!』

白「違うよブァカ!いい歳こいたマフィアのボスがゴキブリ一匹殺せなくてどうすんのさ!人殺してんのに!」

『そういうリアルマフィアな話してると連載打ち切りになりますよ。で、どうしたんですか?』

白「…携帯………っ」

『携帯?携帯電話が何か?』

白「携帯失くしたァァァァ!!!」

知りませんよ

白「冷たッ!?何その冷めた顔!?珍しく僕がこんなにテンション高いのに何この温度差!?」

『そんなのどっかで落としただけでしょう。ホテルのフロント行きゃ見付かりますよ』

白「いやいや確かにそうかもしれないよ?でも僕昨日の肝試しで寅チャンがぶっ倒れるまでは確かに携帯持ってたんだ。でもそのあと携帯に触れた記憶はまったくないんだ」

『じゃあホテルの外にでも落として…。………!!』

白「…ボンゴレに拾われたんじゃないかな………って」

『い………いやいやいやいやだけどその後に皆さん私を心配して部屋に来て下さったじゃないですか!普通そのとき返してくれるでしょ拾ってたら!』

白「分かんないよ、綱吉サマが後でこっそり中身覗こうとしてたかも」

『綱吉様はそんなムッツリじゃありません』

白「分かんないじゃんそんなの。表じゃ大御所マフィアのボスでも裏じゃ何やってるか分かったモンじゃないよ最近のマフィア情勢ってやつは」

『なんですかソレ自分のこと言ってんですか』

白「とにかく早く見つけないと。正チャンも今レストランまで探しに走ってくれてるんだ」

『ソレ多分朝食食べに行っただけですよあの人。確かに無いと不便ですが別に見られて困るようなこともないでしょう?』

白「大アリだよ。僕マフィアのボスなんだよ?部下の連絡先とか黒い関係の方々の連絡先とか、僕をマフィア関係者と裏付ける情報がモリモリ詰まってるよ」

『えええええ!!?じ、じゃあ私の連絡先もまさか"ミルフィオーレ"とかのグループに分類されてんですか!?そんなの見られたら一発で…!!』

白「いやその辺はぬかりないよ、寅チャンや正チャンその他ミルフィオーレの皆の連絡先はすべて"下僕"に分類されてるから」

『スイマセン殴り飛ばしていいですか?』

白「他のマフィア関係の人たちも"格下の奴ら"とか"いつか下僕にしてやる予定の奴ら"とかまぁそれなりにボカしてるけどね」

『白蘭様の目から見た世界って自分と下僕しか存在しないんですかね』

白「うんまぁ大抵の人は僕と同じような考え方だと思うし」

『ふざけないで下さい世の中そこまで腐ってません。ていうかそれならギリギリセーフじゃないですか!携帯ごときに大騒ぎしていいオッサンが見苦しいですよホント』

白「オッサン!!?」

『声がでかい!まったく、いま朝の何時だと思ってんで…………ギョオオォォォやっべ遅刻何時だ今ァァァ!!!』

白「寅チャン、君みたいな若い子にオッサンって言われることが僕らの年代にとってどれほどの影響を及ぼすか考えたことある?」

『ねェよ!!もォォ早くレストラン行かないと!!いい加減クビだよ!!』

白「よっしゃ僕もレストラン行こう」

『白蘭様は来なくていい!!部屋で大人しく寝てて下さい!』

白「むーりーだーよー今寝たらなんかもう一生目が覚めない気がするんだ」

『毎日五度寝はしてる人が何言ってんですか』

白「というか恐ろしいほど眠くないんだよね。凄くね?いつも14時間は寝ていたいと願っている僕が。凄くね?コレ」

『アレでしょ旅行とか来たらやたらテンション上がっていつになく早起きしてしまう小学生によく見られるアレでしょ』

白「寅チャン焦ってるからって僕への対応おろそかにしてるでしょ」

『そうですね私も井原さんが適役だと思います』

白「ちょっと話聞いてんの?井原さんにいったい何がそんなに適してるっていうのさ」


ごねる白蘭様を振り切ってレストランへ向かうと既に皆様は食事を始めていた。

『も、申し訳ありません遅くなりました!!』

綱「珍しいね寅が遅刻って。まぁ2分だけど。……それより後ろのさ、」

白「申し訳ありませんっしたァァァ!!」

『うわァどこの体育会系!?って白っ…お兄ちゃん!?なんでついてきちゃったの!』

白「人のこと野良犬みたいに言わないでよ。僕はただ空腹を満たしに人間として当然の行動をとったまでだよ」

獄「寅…!お前聞いたぞ、虐待や養子のこと…!気楽に生きてるように見えて実は意外とまさかとは思ったが苦労したんだな……っ!」

『あ、はい…(どうしよこのひと真に受けすぎだろ。ていうか彼の目には私どれほどまぬけに映ってんだよ失礼だな)』

獄「何か悩みがあったら俺に相談しろよ!話を聞くくらいはできるから、な……!!」

『(残念ながら私自身が私の過去捏造話をほっとんど覚えてないよ。なんかめんどいから適当に合わせとこ)あぁなんかスイマセンどーも』

綱「なんでもいいから早く食べてきなよ。朝食バイキングだからね」

『バイキングゥ!?やったァァ早く行きましょうお兄ちゃん!!』

白「子どもってバイキング好きだよねーハハハ」

ガタンッ!!


綱「………っ!」

『えっ…?何の音…』

振り返るとそこには、
・姿勢を崩し椅子から落ちる5秒前の体勢をすでに2秒以上保っている綱吉様。
・綱吉様の椅子の脚に右足をかける白蘭様もといお兄ちゃんこと白田さんまたは白江さん。

…こここれはもしや私の頭で考えられる中でもっとも最悪な事態……

白「あっスイマッセェン足引っかけちゃったよゴメン大丈夫ー?」

綱「…大丈夫です」


最悪だァァァ!!!

『ちょっお兄ちゃんテメェちょっと来てください!!』

白蘭様を引っ張ってバイキングの列に並んだ。うわァァボンゴレの皆さんポカーンてなってるよ!どうすんのあの空気!くそっ白蘭様め何ゆえあんな陰湿な行為を…!!

『女子かァァ!!陰湿で汚いイジメをこよなく好む女子高生かあんたァァァ!!』

白「寅チャンポテトサラダ食べるよね?」

『あ、ありがとうございます。じゃない!!もう頼みますからあぁいう無意味な行為はしないでください!あなたの気まぐれのせいでどれほどの人間が苦労してるか分かってんですか!?特に私のこと労りましょうよ少しは!ってかポテトサラダいつまで盛ってんのアンタァァ!!』

白「うっさいなぁちゃんと謝ったじゃん」

『ゴメンで済んだら綱吉様あんな苦い顔しねーよ!だいたい白蘭様は現在の状況がどれほど恐ろしいことになってんのか分かってません!お互い敵の総大将が半径10メートル以内にいるってのに割と平和な朝の風景が拝めるなんて奇跡ですよ奇跡!だからいつまでポテトサラダ盛ってる気なのォォォ!!!

白「寅チャン、君さァ1つ1つの台詞が無駄に長すぎるよ。俊敏でキレのあるツッコミをしていたあの頃の寅チャンはどこへ行っちゃったの?」

『どの頃!?』

白「だいたいさっきの椅子の件、アレ僕わざとじゃないから。偶然だから。僕悪くないから」

『…もういいですそのことは。さ、席探しに行きましょう。ていうか私のお皿ポテトサラダしか乗ってないんですが何事ですかコレ』

白「朝食時だから席いっぱいだねー」

正「あッ白蘭サーンこっちですよこっち!」

『なに優雅に席取りしてんだあの野郎』





ガシャァァン!

なんとか落ち着いて3人で朝食をとっている時だった。白蘭様の足元に、落とされて粉々になったガラスのコップと中に残っていた水が小さく散らばった。

綱「あァすいません、コップ落としちゃった」

白「………ううん、いいよ別に」

綱吉様ァァァ!!?こここコレはもしや仕返しという奴では…!?小さい!言っちゃ悪いけどやることが小さいよ!コレほんとにマフィアのボス同士の抗争!?私が小学生の時だって給食の牛乳相手にぶっかけ合うくらいの喧嘩はしてきたよ!

獄「10代目、お怪我はありませんか!?」

正「び…白江サン、ガラス気を付けて下さいね」

獄「なっ……!?お前、例の次男だろ!?自分の兄貴のことを苗字呼びなんて……!くっ、なんて悲しい運命の兄弟なんだァー!!」

正「は?」

『おおおお兄ちゃん!!ガラスの破片は私が片付けるから座ったままジッとしててねホラホラ綱吉様もあとは私に任せて早く行った行った!!』

白「綱吉サマ、そういえば僕キミに聞きたいことがあったんだけどいいかなぁ?」

『ちょっとォォ!!立つなって言いましたよね私!?なに平然と立ち上がってんですか今スリッパの裏大惨事ですよアンタ!!』

綱「あぁ、俺も話したいことがあるんで今日…今夜、昨日と同じ場所に来てください」

白「よしきた」

『えええええ!?不良漫画ですかコレは!?』

綱「肝試しするから」

『イヤァァァやめて下さい暴力沙汰なんてとんでもない打ち切りですよ打ち切り!!……は?肝試し?』

綱「昨日は寅が倒れたせいで中止になっちゃったから。寅のせいで」

『ちょ……私一応病人なんですけど。ひどくないですかコレ』

白「そうだねェ昨日はせっかく楽しみにしてたのに寅チャンのせいだよねー」

『何これ今イジメの標的が替わる瞬間の映像ですか?え?』

綱「ってわけだから寅にも今夜の肝試し参加してもらうよ」

白「嫌がったって知らないよムリヤリ連れてくよ」

『えええええちょっ、私今も熱36℃あるんですけどォォ!!』

綱「普通じゃん」





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