日本では危険のかほり2
[離陸します。シートベルトのご確認をお願いします]
白「おっ飛ぶってさ寅チャン!楽しみだねー」
正「白蘭様シートベルト締めて下さいね。しばらく席は立たず大人しくしてて下さい。あとここで爪切らないで下さい」
白「はいはい分かったよ口うるさい小姑正チャン」
『隊長がいると楽に過ごせる気がする』
白「うわシートベルト苦しい…やっぱ今日の朝ごはん食べすぎたかな。カレー8回もおかわりしちゃった」
『食べすぎだろ!?』
白「ヤバいよ寅チャンまじで入らないよ。僕今日からダイエットしようかな。寅チャンこんにゃくゼリー持ってきた?」
『こんにゃくゼリーごときでそんな即席ダイエットできるわけないでしょが!もう走り出してますから急いで下さい!ここを動かせば緩まりますから……』
白「あっ締まった!」
『よかっ』
ブォォン……ッ
『どおおおおおおお!!!?』
白「ちょ……何なに寅チャン、そんなに膝枕したいなら言ってくれればいいのに大胆だなぁ」
『ちちち違いますよいきなり離陸するからバランス崩してよろけちゃっただけですううう』
白「ルールは守らなきゃダメだよ?離陸時にシートベルト締めないなんて常識外れもいいとこだよ」
『白蘭様がいつまでもシートベルトに手間取ってるせいで私が締めれなかったんじゃないですか!』
白「なんでも人のせいにしちゃいけないんだよ。ダメ人間になるんだよ」
『300%白蘭様のせいですが』
白「何さ300%って。多すぎ。苺だって100%に収まってんだからもうちょっと規制してよね。キモイでしょ苺が300%もあったら」
『なんで急にいちご100%の話に…。理屈っぽいっていうか子供っぽいですよね白蘭様って。話通じないし都合の悪い話は聞かないし白髪だし』
白「何を言うのさ僕ほどダンディな青年もそういないよ。それと白髪呼ばわりはよしてくれ」
『悪口だけは正確に伝わるあたり面倒くさいし』
白「うわ寅チャンに面倒くさいって言われちゃった。なんか歩むべき道を見失いそう」
『どんだけー』
正「ぶはっ」
『うわなんか隊長にウケちゃったよ』
白「正チャンの笑顔見たのって台風のとき僕に向かってビデオ屋の看板が吹っ飛んできたとき以来だな。あん時笑いすぎてまた胃壊してたよね」
『てか白蘭様入江隊長にものすごく嫌われてませんか』
白「んなわけないじゃん超仲良しこよしだよ。部下の中でも僕は1番に正チャンを信頼してるし、彼ほど優秀な人材は他にないと思ってるよ」
正「よく言いますよ、たまに僕のこと「おいそこのメガネ!」て呼ぶくせに」
白「正チャンだって陰で僕のこと「人使いの荒いヘッポコ上司が!近日中に顔のそこかしこからホクロが出現すればいいのに」って言ってるらしいじゃん」
『仲悪っ!?』
正「もともと気が合わないタイプなのは一目瞭然でしょ」
白「そんなこと言わないでよ、正チャンは僕の部下でありたった1人の友達じゃないか。お互いに」
正「なんですか友達って。てか白蘭サン友達少なっ。一緒にしないで下さいね、僕には普通の友人がちゃんといますから。普通の」
白「何その言い方まるで僕が奇人みたいじゃないか」
正「そんな感じですよ僕から見た白蘭サンの認識って」
白「あちゃー!」
『白蘭様お昼どうしますー?ビーフかフィッシュだって』
白「マシマロー」
『すいませんビーフ2つで』
――………
[日本に到着いたしました]
白「ヒャッホーイ早く外出るよ寅チャン!」
『待って下さい白蘭様!』
白「なに、焦らさないでよ。ジャパンが僕を待ってんだよ」
『いいですか、絶っっ対にボンゴレの皆様と出会わないように注意して下さいよ!ホテルまで一緒なんだから細心の注意を払って観光して下さい』
白「無茶言うよ。僕にそんなこと出来ると思う?」
『思いません』
白「ダメじゃんこの信頼関係のズタボロ感」
『万が一会ってしまっても自分が白蘭だなんて絶対名乗らないで下さい。白田さんも駄目です。こうなったら究極の他人になってやり過ごして下さい』
白「ふむ、やっとビャクティーヌ2世の出番が来たかって感じだね」
『白江さんでいきましょう』
白「やだよそんなまたしても淡白な名前。もっと華やかなのがいいよ、ビャッキー・チェンとかどう?」
『入江隊長も万が一の場合はただの入江さんです。それでは入江さん、白江さんを宜しくお願いしますね』
正「なんだか気味の悪い漫才コンビみたいで嫌だなぁ…」
白「なんだよ僕を無視して白江さん決定かよ。正チャンも気味悪がってるし誰も幸せになれないよ。さぁもう話は済んだでしょ、一緒に日本へ降り立とうぜ寅チャン!」
『白蘭様、私ボンゴレの皆様と合流するんでお先にどうぞ。日本の土は隊長と一緒に踏みしめて下さい』
白「……ちぇ」
正「行きますよ白江サン」
『どっひゃあああ綺麗なホテル!ホテルのくせに温泉ついてんだからえらいこっちゃですよね!さぁ皆さん、この世の極楽をまるごと味わうかのごとく楽しみましょー!』
骸「いいですねぇ若くて」
『さっ手続きは他の使用人が済ませてますんでホテルに入りましょう!皆さんのお部屋へはホテルの人が案内してくれるんでそれに従って下さい』
雲「夜ご飯は?ハンバーグ?」
『夕飯は各個室に6時に運ばれてきます。メニューは部屋にある冊子を参考にして下さい』
骸「部屋にプレステはありますか?」
『ありません』
山「野球していいか?」
『もう夕方ですのであとは自由行動とします。周囲に迷惑のかからないように注意して下さい。それでは解散!』
獄「お前修学旅行に来た引率の先生っぽくなってんぞ」
綱「寅」
『はいー?』
綱「飛行機の中では何も変わったことなかった?」
『な…やだなーあるわけ無いじゃないですか!涼宮ハルヒじゃないんだからそこらへんに不思議なんてそうそう転がってませんよ!夢見がち!』
綱「じゃいいけど。それじゃね」
『ごごごゆっくりー。……綱吉さま鋭いな。何か電波的なものを受信してるんじゃ……はっもしかしてその為に髪型あんななの!?』
私はそのまま部屋へ向かった。一般の部屋ながら個室だし慣れ親しんだ和室だし見事夕飯の時間までだらだらと有意義に過ごすことができた。そういえば雲雀さんがバーグバーグうるさかったのを思い出して夕飯のメニューをチェックしてみた。和食だった。
コンコン
「晩ご飯お持ちいたしましたー」
『はーいどうぞー』
「失礼しまーす。お客サマお疲れですねー今日はどちらから?」
「ちょ、やめましょうよそういう絡み」
「いいじゃん」
『(なんだやたらフレンドリーな人だな…)イタリアから飛行機で…』
「へぇそうなんですかー。奇遇ですね、僕もイタリアから来たんだよ寅チャン」
『へぇー……へ?奇遇って……白蘭様ア゙アアアア!!!?』
白「45秒!気付くのおっそいよーというわけで一緒にご飯食べよう」
『はァァァ!!?何ちゃっかり着席してんですかアンタ!!ワサビの量を調節するよりも重要なことがあるでしょ今はァァ!!』
白「見て見て、初・日本上陸記念にそこらへんの土を袋につめてきたんだよ」
『甲子園!?』
正「寅ちゃん白ご飯どのくらい食べる?」
『隊長は女将の仕事を全うしてなくていいですから……!いたい白蘭様達が泊まるような部屋はもっと上の階にあるはずでしょう!?どうやって運んできたんですかその夕食セットは!』
白「はぁー?何言ってんの?偏見だよ僕がもっと上の階に泊まってるなんて」
『え?…じゃあどこに泊まってんですか?』
白「寅チャンの隣の部屋ですから」
『ぬぁああああ!!?』
白「いやー奇遇だよねホンット奇遇」
『嘘でしょおおどうしてえええ!?』
正「(…面白いなぁこの2人)」
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