白蘭様といっしょ2

[ピピピピピピピピピ]

結局冷たい床の上で目を覚ますハメになってしまった。まったく休息した気がしない。タオルケットどこへ消えた。

『………ふぁ……もう6時か……。っくし!寒…!風邪ひいちゃったよ白蘭様のせいで……アレ?』

そういえば携帯の目覚ましが白蘭様のボイスから初期設定の電子音に替わってる。いつの間にかまた携帯をイジられたのか?まったく、白蘭様の気まぐれにはついていけな………あ!

『白蘭様!?』

ベッドの上で寝ていたはずの白蘭様がいなかった。まさか1人で帰っちゃった?でも昨日、危険だから外には出るなって言ったのに……!それともまさかボンゴレの誰かに捕まった!?うわあもう勘弁してくれ!

『ど、どどどどうしよう!!どこ行ったの白蘭様!?あの人が出歩くとろくなことがないんだから!い、今からでも探しに……!』

コンコン

「すいませーん。お部屋掃除したいんですけどー」

『え……掃除!?』

そういえば私達メイドさんの他に清掃員さんとかもいるって言ってたな。定期的に全部屋の掃除をしてるって聞いたけど、まさかメイドの部屋にも来るなんて……。くそっ今私大変なのに!

『はーい……』

ガチャッ

白「おはようございまーす掃除でーす」

『はーいおはようございま………っ白蘭様ああああ!!?

白「白蘭様?なんのこと?僕は清掃員の白田さん(24)だよ」

『バレッバレですよ!?何その掃除機!?何そのバケツと雑巾んんん!?』

白「ほら、ただで泊まるのも気が引けるから臨時の清掃員として働こうと思ってね。昨日夜中の3時に綱吉サマに許可もらいに行ってきた」

『なんつー迷惑な!?』

白「というわけで僕と寅チャンは下働き仲間ってことで。一緒に掃除しよう!」

『嫌ですよ!私には私の仕事が山ほどあるんです!これから骸様を起こしにいかなきゃいけないんです!』

白「ちぇっ冷たいなー。あっいいこと思いついた」

『白蘭様の思いつきは大抵私が苦労するんで却下し「僕が寅チャンの仕事を手伝ってあげることにする!」

『は!?』

白「骸サマの部屋に行くんでしょ?ついでに部屋も掃除しに行こう!」

『ちょ……!お願いだから面倒事だけは起こさないで下さいよ!』





コンコン

『骸様ー?』

白「返事ないね。中に入ろう」

『ちょ待てっ。もう1回呼びますから!白蘭様は勝手な行動は謹んでください。頼むから』

白「なに悠長なこと言ってるの?寅チャンは勝手に2回でも3回でも呼びかけてればいいけど僕には掃除という任務を遂行する義務がある。というわけでお邪魔しまーす」

『あ゙ぁあああ!!もう!』

白「よく寝てるねー。テレビ点けっぱなしで」

『多分ゲームしたまま寝ちゃったんでしょうね』

白「ふーん。電気代がもったいないね。よし電源を切ろう」

ブチッ

あ゙―――!!!ちょ、今データ消えませんでした!?セーブしてました!?』

白「知らないよ。僕は電気代をもっとも大切にする男だからデータなどには興味ない」

『嘘つけ!トイレの電気いつも点けっぱなしのくせに!あああもうどうすんですか!!起きたら骸様泣いちゃいますよ!?』

白「じゃあいっそこのまま永遠の眠りに………」

白蘭!!

白「え!?びっくりした!親かと思った」

『……様!頼むからそういう物騒なことはしないで下さい!やるならミルフィオーレの白蘭様として正々堂々やり合うのがルールでしょう!』

白「……うん。そうだね。正しいよ。僕は今ミルフィオーレの白蘭じゃなくて、清掃員の白田さん(24)だものね」

『それはそれで何か抵抗がありますが……そういうことです!余計なことをしてはいけません!』

白「分かった分かった。それにしてもよく寝てるねこの人。こんなに騒いでるのに。ねぇ骸サマの顔掃除機で吸ってみてもいい?」

だからそれが余計なことなんですよ!

白「ていうかさぁ、掃除って何すればいいの?綺麗じゃん」

『ったく、これだからボスって奴は』

白「何か言った?」

『パッと見キレイでも見えないところが汚れてたりするんですよ。例えば白蘭様の部屋ですとベッドのシーツの下とかちょっと湿ってます』

白「湿るわけないでしょ僕のベッドが」

『そうですね、この部屋だと……あのテレビの後ろ側なんか怪しいですね。骸様見えないところに物隠すタイプなんで』

白「骸様犬なの?でも確かに汚そうだね。で?」

『で?じゃなくて、汚いところを発見したら掃除するんですよ。そのために来たんでしょう』

白「僕が?この僕が?天下の白蘭様が他人の部屋を掃除するの?」

『白蘭?さぁ何のことでしょうか清掃員の白田さん(24)?』

白「何そのしてやったり顔。仕方ないなもう……。うわ汚なっ!!くさい!死ね!」

死ねって言っちゃったよ仮にも主に!

白「ほこりまみれじゃん。いま何かガサッて動いたし。見た?」

『ゔわっ気持ちわる!!骸様部屋で何飼育してんだよ!たまには自分でファブリーズくらい撒けないんですかねほんと!』

白「とりあえず寅チャンも大概にしろって感じだね。さーて洗濯でもしに行くかー」

『洗濯?何をですか?』

白「骸様のものらしきパンツ。さっきそこで拾ったんだ。褒めて!」

『うわっちょっ、こっち近付いてこないで下さいよ!』

白「は?何それ」

『不潔だし』

白「とりゃー!」

『ギャアァァァァ!!』

骸「何やってんですか

『ぎゃ!?いつの間に起きたんですか!?』

骸「今起きました。誰ですかあの白い人?」

『えっと……清掃員の白田さん(24)です』

白「おはようございまーす」

骸「白田さん僕のパンツ返して下さいよ」

白「あぁごめんなさい。いま使用人の先輩の寅サンに鬼のパンツはいいパンツごっこやれって命令されちゃって」

『は!?寅サン!?』

骸「……………」

すっげ軽蔑されたよ今!

骸「あのそれでは僕仕事があるんでこれで………掃除よろしくお願いします」

白「はいはーい」

バタン

『…白蘭様のせいであの骸様に変態扱いされちゃったじゃないですか!明日から私のあだ名「パンツ」ですよきっと』

白「似合うよ」

似合ってたまるか。じゃあ私は次の仕事に行きますから。せいぜい掃除頑張って下さいね』

白「もうやだ面倒くさい。寅チャンやっといて」

『ちょっコラァァァァ!!』






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