嗚呼、私の望んだ場所2

『帰ってきた……!』

うわああ!!帰ってきたよMyアジト!Myスウィートホォォォォム!!おかえり私!


ガチャッ

『白蘭様ァァァ!!』

白「すー………」

『寝てるし!!ちょ、白蘭様!あんた今日は6時起床って言ったじゃないですか、もう9時ですよ!?ホントに私がいないと何も出来ないんだから!』

白「うるさいよ寅チャン」

『うおお起きてた!!調子乗ってごめんなさい!!』

白「あれっ、寅チャンどしたの?帰ってきたの?」

『はっ、そうなんです!あのボンゴレの鉄の檻をくぐり抜けて命からがら帰ってきました!!』

白「あっそう。ねぇ朝ご飯持ってきてくれない?」

『…え!?何その反応の薄さ!!もっとこう感動の再会みたいな展開は、』

白「はァ?スパイも満足にできない寅チャンに感動の再会を果たす権利はないよ」

『な!?何この冷たい対応は!自分なんか書類3枚に判子押しただけで褒めてほしがるくせに!割に合わねぇ!』

白「ボスだもん!」

『威張られても!』

白「へへん!悔しかったら朝ご飯くらいはまともに取ってきたら?」

『分かりましたよ行ってきますよご飯持ってきますよ鬼!!』

白「ばいばーい」

バタン!



正「白蘭サーン入りますよ、そろそろ起きないと仕事が溜まって……あれ、起きてんじゃないですか」

白「ふふっ」

正「え、気持ちわる……」

白「さっき寅チャンが帰ってきたよ」

正「無事だったんですか!?」

白「さっき叫びながら入ってきた。おかげで無理矢理起こされちゃったよまったく」

正「白蘭サン昨日夜中までずっと寅ちゃん待ってましたもんね」

白「うるさいよ。寝る前にコーヒー飲んで眠れなくなっただけだよ」

正「子どもですか」

白「しかも肝心の極秘情報は何も獲得してないっぽいよ。ボンゴレに爪跡だけ残してきて、僕らのアジト嗅ぎつけられたらどうすんだってね」

正「はいはい白蘭サンは寅ちゃんが帰ってきて嬉しいんですね」

白「はぁ?そんなこと言ってないけど」

正「はいはい寅チャンが帰ってきて安心したからってまた寝ないで下さいね」

白「だから正チャンはさっきから何を聞いてるの。耳をほじくっちゃうぞ!」

正「ではまた後で書類持ってきます。朝食は早めに済ませて下さいね」

白「それでいて僕の話は無視なんだね。なんか無意味に夕日に向かって走りたい」


ガラッ

『朝食持ってきましたよーあぎゃあああ!!!

ガシャアァアアア!!

白「やーい引っ掛かった引っ掛かった」

ドアを開けた瞬間、私の頭の上にチクチクする物が落ちてきた。よく見たらウニだった。どこから持ってきてどうやって仕掛けたんだ。
それに驚いて、ご飯を乗せていたなんかガラガラ押せるハイテクな台をひっくり返してしまった。


白「あーあ、僕の部屋ぐしゃぐしゃじゃんか。どうすんの?ドジッ娘メイドとかそんな可愛らしいレベルじゃないからね」

『白蘭様のせいじゃないですか!なんですかこのウニ!?』

白「ちょっとしたイタズラだよ」

『イタズラ!?障害事件の間違いじゃないですか!?』

白「馬鹿ばっかり言ってないで早くそれ片付けなさい。僕はカロリーメイトでも食べとくから」

『でぇえコレをですか!?クッションとか洗濯しないといけないじゃないですか!』

白「洗濯機はダメだよ。ちゃんと手洗いしてね」

『ちょ、今日私携帯ショップに行かないといけないんですけど……!』

白「寅チャン、自分の携帯と僕の部屋にただ置いてあるだけのお飾りクッションどっちが大事なの」

『一片の迷いもなく携帯です』

白「さぁー寅チャン今日は洗濯日和だよ!ついでに布団も干すべきだよコレは」

『私の意見を取り入れる気がないなら聞かないで下さい!』

白「はいファブリーズ」

『見事に私の選択権がないよ!』


ガラッ

正「失礼しまー……った!」

『入江隊長!』

白「やーい正チャンも引っ掛かった」

正「白蘭サン……なんですかこのスポンジ」

スポンジ!?ちょ、なんですかこの私と隊長の差!?私の時ウニだったんですけど!』

正「ウニ!?」

白「ねー見てよ正チャンこの床の汚れ。全部寅チャンがやったんだよ。ホント消えてなくなれって感じだよね」

『白蘭様のせいじゃないですか!私忙しいのに!馬鹿!うわあああん!!』

白「もー寅チャンやかましい。あんまりうるさいとクビにするよ」

『……………』

白「急に静かになったね」

正「あー……じゃあ、寅ちゃんが忙しいなら僕が片付けときますよこの部屋。布団も干します」

『ぇええ!!?マジですか!?』

正「うん。暇だし」

白「暇って……正チャン隊長でしょが…」

『やったァァ!!隊長ステキ!あんたみたいな人がボスになるべきだと思うよ私は!』

正「いやぁそんな」

白「何その反逆発言」

『それでは携帯買いに行ってきます!』

白「あ、ついでにマシマロ買ってきて」

『仕方ないなー』

白「なんか今日の寅チャンむかつくね」

正「寅ちゃんファブリーズ貸して」








『マシュマロマシュマロ……かごいっぱいに買ってこいって言われたけどよく考えたら私お金貰ってないし。後でたっぷり請求しないと。なんかムカつくからカラムーチョも買ってやる』


ピッ

店員「10100円になります」

げっ一万円超えちゃったよ。レジのお姉さん絶対私のこと気持ち悪がっているだろう。マシュマロに万札出す女なんて世界広しと言えど多分私だけだろうから。もしそんな奴がこの世にいたら白蘭様に紹介してあげよう。

『…あれ?』

おかしいな、いつも鞄に入れて持ち歩いてるはずなのに。そういえば昨日寝る前にヤマザキパンのポイントシールの期限を確かめる為に鞄から出して、そのまま机に………


財布忘れたァァァァ!!!

店員「は!?」

『すすすすいませんそのマシュマロはなかったことにして下さい!!』

店員「お客様ー!?」

私はスーパーから走り出た。





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