ゲンマさんとお嫁さんの出会い。
あたりはがれきの山。
大切な人の名前を泣き叫ぶ声と絶望の中必死に助けを求める声ばかり。
里が、絶望に支配されていた。
(これから、どうすればいいんだろう、)
(生きて、いけるのかな、)
(私が何とかしないとだめなのに、)
真っ白な頭だけど、私が行動しないとだめなんだ。わかってる、わかっているのに、体が言うことを聞かない。私はこんなにも無力なんだ。目の前の人一人、手を差し伸べることさえできないなんて。
(誰か、助けてください、)
「嬢ちゃん、大丈夫か?」
ぽん、と頭に置かれた掌。視線をあげた先には、頭に何かを巻いた、忍の人が。
「無理すんな、泣きたいときは泣けばいい」
優しくて、心が大きくて、素敵なところをあげたらきりがない。そんなあなたから、目が離せませんでした。