▽愛してる
「愛してる」
俺は決まってこう言う。
「愛してるんだ」
でも彼女は、
「愛してるんだ、名前」
俺の気持ちを受け止めてくれない。
どうして疑うんだ。
俺の愛は本物なのに。
偽物の愛とは違う。形だけの愛なんかじゃない。
人間を愛するような愛なんかじゃないんだ。
本物の、君だけに向けてる愛なんだよ。
そう伝えても彼女は信じてくれない。
どうして？
彼女も俺を愛してくれてるのに。
彼女も、俺を愛してるって言ってくれたのに。
「あなたの愛は、辛いの」
辛い？あははっ、酷いなぁ。
俺の気持ちは本物だ。
誰よりも君が好きで、好きで好きで好きで、愛してて。
誰にも触れさせたくない、話させたくない、顔も合わさせたくない、俺だけしか見えない程に溺れさせたい、解禁させたい。
そんな醜い欲望心さえあるのに、この愛の何処が本物じゃないんだ。
まぁ、俺がこんな性格だから仕方がないよね。
仕方がないけど、俺の愛に答えてよ。
こんな俺だからこそ、受け止めてくれよ。
俺達は相思相愛だろ？
なのに、何で俺から逃げるの。
俺は君を駒扱いなんかにしない。
一生大事に扱って、死ぬまで俺の隣に居させる。
傷つけたりなんかしない。
壊させたりもしない。
ガラスのように、大事に大事に扱って、俺だけの物にしたい。
ねぇ、お願いだよ。
俺の愛に答えてくれないか？
こんな俺だけど、歪みまくっているけど、信用出来ないかもだけど、君を誰より思ってるんだ。
疑うなら付き合ってみてから分かるよ。
俺が君を思う気持ちが。
今分からないのなら、試してみるがいい。
それが一番簡単じゃない？
そしたら君の中に渦巻く疑問も綺麗さっぱりと無くなるよ。
まだ疑うの？
信じてよ、本物の愛なんだからさ。
だから、ほら。
この手に捕まって。
(そうしたら君はもう俺だけの物になる)
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