▽体に悪いですよ


目の前で堂々と学校内で煙草を吸っている男、こと土方十四郎。
彼はある意味危ない。
瞳孔も全開だし煙草を毎日1箱は吸ってるしで本当、ヤバい。



「トシ、それ止めないの?体に毒だよ。ってか学校で堂々と煙草吸うだなんて非常識なんだけど」


「あぁ?いいんだよ、俺はこれがなきゃ生きていけねー。学校とか関係ねーよ」


「いや関係あるよね、完璧。学校で吸ったら退学決定だから」



注意をするが、トシは私のことなんか無視してまたフーと煙草を私の目の前でふかす。
その煙草の煙が私の前にくる。



「ちょ、臭ッ!トシ、知ってた?煙草の煙は周りの人にも毒なんだよ?」


「知るかんなの。ならてめー等が俺から避けりゃーいいじゃねぇか」


「嫌。避けたらトシ悲しくて泣いちゃうでしょ〜?プクク」


「泣かねーよ!!つか、俺がそんな事で泣くと思ってんのか!!」


「「勿論」」



誰かと声が重なった。誰かと思い、隣を見たら総悟だった。
まぁ、席が隣だから隣にいるのは当たり前か。



「土方さん、いつまで煙草吸ってんですかィ?だから瞳孔前回なんでィ」


「瞳孔関係ねぇだろォォォ!!」



キレたトシは、総悟に今すぐにでも殴り掛かりそうだ。
でもそれを私は止めるために真ん中に割り込んだ。



「まぁまぁ、そう怒らずにさー。事実なんだから」


「あれ、なんかこいつの方が腹立つんだけど。斬っていい?斬っていい?」


「え、切る?着る?きる?キル?」


「うん、もういいわ。こいつ疲れる」


「まぁ、そう言わずに。はい、これ」



私が出した物は電子タバコ。
煙草を吸って肺が黒くなるより、電子タバコを吸った方がまだましかと思い買っといたのだ。
私偉くね?



「え…何これ」


「何って…。そのまんま、電子タバコですけど」


「お前ならそれを吸えるはずだ、土方。でも普通の煙草を吸って体悪くして死んでくれ土方〜」



総悟のことは完全無視して嫌そうな目で電子タバコを見つめるトシ。
私はそんなトシを見て、トシが持っているタバコと電子タバコを持ち代えた。



「おまっ、何すんだよ!!こんなん煙草のうちに入らねーよ!!」


「さぁ、吸ってみろ。お前なら吸えるはずだ」


「何でお前も総悟みたいなこと言ってんの?」


「名前は俺と一心同体だからでさァ」


「え、何それ。初めて聞いたよ。ってか一心同体ってキモ。私総悟と一心同体って嫌だー」



そう言うと空気読めよ、と言いたげに私に殴り掛かろうとした。
と言うか私にバズーカを向けている。
私はそんな総悟から逃げ回っている。
途中銀ちゃん先生に叱られたけど、そんの知るか。
無視だ無視。自分の命が最優先に決まっている。
そんなことをしていた私達を横目で見ていたトシは、いきなり電子タバコを真っ二つに折った。



「ぎゃァァァ!!何してんだ、てめ!!私が折角買ってきてやったのにィィィ!!」



折れた電子タバコを床に落とし、それを踏み潰した。



「お前、本当何してんのォォォ!!?」


「処分だ」


「土方さん、資源の無駄にしてらァ。悪ィのー」


トシは煩ェと私達に言い捨てた後、いつもの煙草を口に加える。



「俺はこれがいいんだよ」



そしてまた煙草を吸い出した。





(ちぇ、かっこつけもほどほどにしろよなマヨネーズめ)
(マヨなめんじゃねェェェ!!!)
(いや、舐めてないよ)
(いや、そっちじゃねーよ)



[back]


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -