▽苦手なものは苦手


※白石姉設定


ミーンミーンミーンミーン


「……」


ミーンミーンミーンミーンミーンミーン


「……」


ミーンミーンミ「あぁあああ、もう煩いっちゅーねん!!」


「煩いのはお前や変態」



冷たいフローリングの床の上でゴロゴロと動き、騒ぎだす蔵を睨みつけ、アイスを口に頬張る。
アイスは口の中で溶けて、その味が全体に広がる。
ん、美味しい。
此方をじーっと見つめる蔵の視線が痛い程伝わる。
食べたいなら冷凍庫から持ってこればええんに。



「…なぁなぁ、名前一口くれへん?もしくは蝉爆発して」


「お前は私を何やと思ってんねん」


「お姉様」


「お偉い風に言ったってアイス持ってこーへんからな」



そう言うとケチーと拗ねる蔵。
ほんまにこいつ中学生か。
疑ってしまうほど子供みたいに駄々をこねる。
まぁ、中学生もまだまだ子供やけど、こいつの場合は中学生以下や。
毎日一回以上は「エクスタシー」とか言うし、ナルシーやし、手には包帯巻いてるし、厨二病全開だし。厨二病は流石中学生と言うべきか何と言うか。
兎に角色々と自重すべきや。



「……なぁなぁ、名前」


「……………ん」


「やっぱ俺汗も滴る良い男ちゃう?」



きた、とは思ってはいたが急に話変わるやっちゃな。
と言うかこいつナルシーやわ。
小学校からモテモテで一週間に2、3回は告白されて、女子にはキャーキャー言われ、そしてテニスも天才的で。
それが自覚してきた中一の後半からは完全ナルシー。
バレンタインの日とかはどうやって女子からチョコを受け取ろうかというのを鏡見ながら何やら実験していたし(こっそり部屋の扉の隙間から見てた)、体育祭ん時はわざと女子の方に爽やか笑顔を見せて「頑張ってくるで!」とか言ってたし(めっちゃ女子煩かった)。
まぁ、何と言うか姉から見てはどん引き通りを越して……何やろな。
まぁ、キモすぎて見とうないわ。
あれだけナルシーだったら逆にお前芸能界やれば?とか思う。
んでもってオーディションに落ちて悔やめばいいと思うわ、まじで。



「あー、そーですね。その頭とか色々と危ないですね」


「やろぉ?やっぱ名前もわかっとんな〜、このイケメンの良さが!髪型の良さとかもわかってくれとるんとか流石姉やわ〜」


「……(嫌みだったんですけど)」

と言うか髪型やのーて頭の中身んこと言っとったつもり何やけど。



「まぁ、名前も俺の姉やからそこそこ可愛ええで?流石に俺には劣らへんけど」


「……」



お前に誉められたって嬉しくねーよ変態。




((兎に角私は実の弟が世界で一番苦手やわ))
(名前ー、ほら。ア・イ・ス)
(……(イラァ)この厨二病変態エクスタシー野郎が(ぼそっ)
(なんー?)
(……はぁ、何もあらへん)


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