×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -




ドラマチック後篇

ひょんなことから表社会の刑事に殺人事件の調査を依頼されてしまったテオ=テスカリは犯罪者の仲間に協力してもらい、それなりに優れた推理力を発揮していた。

犯罪者の仲間、クロロとフェイタン、そしてテオは3人で空いている客間に集まると話し合いをしていた。

「さて、表面張力の実験は成功したが、問題はターゲットの頭上に確実に花瓶を落とさなくてはならない。その方法についてはどうする?」

クロロが言うとフェイタンもテオを同じように腕を組んで考えた。
「そうだよなぁ。何度か繰り返し試せば、花瓶を落とす事自体は成功率が上がるだろうけど、問題は被害者が思っていたのと違う行動を取った場合だよな。確実に頭上に落とす、ね。」

テオがうなって考えている横でフェイタンは冷静に静かに考えていた。

その時コンコンと部屋がノックされた。

「あ、はーい。」
テオがドアに近付きドアを開けるとそこには執事が立っていた。

「そろそろ夕食のお時間ですが、どうされますか?」
「あ、いただきます。けど、大丈夫ですか?3人目って毒殺でしたよね?」

「はあ、それが皆さん警戒していらして、いらないと……。お嬢様と旦那様だけがお召し上がりになります。」

当然と言えば当然だろう。
「俺達がいる前で流石に事件を起こしたりはしないと思うけどな。ま、仕方ないか。俺たちもすぐ行きます。」

テオが言うと、執事は1度お辞儀をして部屋を去っていった。

「テオ、確実に頭上に花瓶を落とす方法だがな……」
とクロロが言った。
「え?なにまさかわかったの?」
「ああ、今のノックで思いついたんだが、床から音を鳴らせば誰もが何かと思って屈むんじゃないか?」
「ん!?おお!!!確かに!!ってことは……被害者の部屋の真下の部屋の奴が怪しいって事じゃねぇか!」

執事にすぐに行く、と言ったものの、今はそれところではない、と言わんばかりにテオは屋敷の図面を広げる。

「えっと、被害者の部屋がここだから、その真下って言うと……あれ?何も無い。」
テオの指が指していたのは、特に何もない空間だった。

「倉庫か?」
フェイタンが聞くが
「いやドアが無いな。デッドスペースという奴か。」
とクロロが答える。
フェイタンは図面を見ながら
「はは、けどこの空間の隣が見てみるね。」
今度はフェイタンの指が示す。1畳ほどのデッドスペースの右隣はコレクションルーム、左隣は執事の部屋になっていた。そしてコレクションルームから空き部屋を2つ挟んでどん詰まりに父親の執務室もある。

「なかなか面白くなってきたな。」
クロロは心底楽しそうにしている。
「そんじゃ夕飯食い終わったらこの両サイドの部屋を調べようぜ!隠し扉とかあるのかもしれねぇし!」
テオの提案に2人も頷いた。一見事件とは全く関係なさそうなデッドスペースとコレクションルーム。そしていずれの現場からも離れている執務室、これらの場所についてはまだ全く手をつけていなかった。

どちらにしろテオもクロロもフェイタンも犯人は屋敷を熟知している者だろう、と絞り込んでいた。
執事か、娘か父親か。
初めは実際に現場を見るまではライバルを減らすために集められた男達の中に犯人がいるのでは、とも考えていたが、今回の事件はどうやらそうではないらしい。


[92/107 ]

[前へ] [次へ]
[目次



TOP