比喩で伝える
 

「でいといてもつまん
ない!」

そう言えば少し涙目に
なる私の隣の人。

「でも、でいといるの
嫌いじゃないよ?」

そう付け加えたら明ら
かにパァとなる表情。
数秒の沈黙のあと

「俺のことどう思って
んの?」

そう言葉にした時の表
情はさっきとは違う、
真剣な表情でいつもの
でいとは違う、男の人
の顔だった

それがなんとなく悔し
かったから、とりあえず

「クラスメート!」

とだけ伝えてみた。
明らかに肩を落とす
でいがおもしろい
笑ってんじゃねーよって
すごい拗ねた顔。

「嘘だよ、」

笑いながら言うと
でいと目が合う。
意味わかんねぇそう言い
たげそうな顔

「好き」

そう言えば
大きい目がさらに開く
だけどそんなにすんなり
いえるほど素直じゃない
私は

「…焼きくらい好き!」

そう顔が熱くなるのを
感じながら付け加えて
言った。
すこし顔を赤くした、
私が素直じゃないことを、
すき焼きが好きの意味を
理解してるでいが、「俺も」。

そう満足げに呟いた。
知ってる。





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