「おいで」
そう言えばぽてこは疑いなくくるし、
「うん」
「ぽてこ」
名前を呼べば、
「なあに」
嬉しそうにする。
頭を撫でれば目を瞑ってすりよってくるし、
抱きしめれば抱きしめ返してくる。
たまに不安になってしまうらしく、質問してくる内容は控えめで可愛くて、
「征十郎の近くにいていい…?」
僕は当たり前のように返事をする
「ぽてこじゃなかったら、誰が僕の側にいるんだ?」
と。
彼女は一瞬目を大きくさせ、安心したように笑いながら、
「私しかいないね、私も征十郎以外はありえないもん」
そう返してくれる。
お互いがお互いを必要としていて、そこにいることが必然のようなそんな関係。
「征十郎、」
優しく笑いながら僕を呼ぶその声を今握っているこの手を、離したらどうなるのか。
どう変わるのか、好奇心で気になってみたりもする。
まぁ、離すなんて選択肢はどこにもないんだけれど
だって、
僕がいなければぽてこの存在意義は
ぽてこがいなければ僕の存在意義は
無い等しいのだから