しゅん。



「なあなあ紫帆〜、海行こ〜」
「ごめん、バイト先の人が風邪引いたらしくて、急遽今日行かなくちゃいけなくなったの」
大学生の夏は自由って聞いて憧れていたけど、いざなると二人のバイトが上手く噛み合わない。友達とはそれなりに遊べてるんだけど。


見ると雅治はこの世の終わりかの如くうなだれていた。
「しゅん、ってしないの!」
可愛いでしょうが!







「ごめんね?」
私だって雅治と一緒にいたい。でも実家通いでないからそう簡単にバイトの量も減らせない。
私の心苦しさが伝わったのか、雅治は顔をあげる。





「……じゃー今日俺紫帆の水着買ってくるから、今週中には行こうな?」

とびっきりセクシーな奴買っとくのう。

「本気で言ったんなら怒るよ」



しゅん。
(だからそんな顔でうなだれないでよ! 可愛いから!)



20110831


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