happy halloween
※三人とも、特に手塚のキャラ崩壊が酷くてお下品です。カッコイイ彼らが好きな方はお引き取りください※
私、立海大附属中学校に通う三年B組麻倉紫帆!
今のところ皆勤で、現在は学校で昼休み中。なのに。
「なんであんたが立海にいるの」
「愛するお前に会いにきてやったんだろうが、アーン?」
もう一度言うけど、ここは立海大附属中学校。ましてや東京ですらないここに、何故氷帝の生徒会長がいるのか。
「頼んでないし愛してない」
「照れるお前も可愛いぜ」
軽く頬を染めて私をツンと突く跡部が本気でキモいと思うのは私だけではないだろう。
跡部というのは他県であるにも関らわず認知度があるらしく、周りからジロジロと見られる始末。まあ他校の制服が廊下にいるだけで十分存在感はあるが。
そのざわめきを聞き付け、我が立海の風紀委員長が駆け付けてきた。
「跡部! 紫帆が嫌がっているだろう!」
真田! やっぱり頼りになるなあ。もっと言ってやって!
「紫帆は俺の分しか菓子を用意しとらん!」
…………最近真田はどこか頭でも打ったんだろうか。跡部に出会ってから彼は変わってしまった。無駄に張り合うというか……。
「いや、真田の分もないし。というか誰の分も持ってきてない」
私は嫌味抜きに事実を伝えただけだが、大袈裟に真田はショックを受けている。
「いいぜ別に。じゃあ悪戯すりゃいいんだろ」
「ま、丸井一生のお願い! お菓子ちょうだい!」
跡部が何かを言い終わる前に私はお菓子調達に向けてダッシュした。だが跡部たちが絡むと私に味方はいない。面倒事は御免なのは万国共通だ。
「嫌に決まってんだろぃ」
「ですよねー!」
けち、沢山あるくせに! 丸井なんか丸々と太って豚になってしまえ!
と、ありがちな禁句を心の中で毒づき(声にしたら私はそこで人生が終わる)、必死に思考を巡らす。後頼りにしやすいのは柳生やジャッカルだが生憎クラスが違う。同じクラスの仁王はニヤニヤしている辺り私を助ける気がない。私、どのみち死亡確定。
楽しそうに寄ってくる二人。後ろは壁でじりじりとその差は埋まる。
「さて、菓子がないなら悪戯しても構わねぇよな?」
「あ、アンタはお菓子持ってきてるわけ?!」
「ほらよ、好きだろチョコレート」
「俺も持ってきたぞ」
真田まで?! くそくそ、真田は昔はピュアで可愛かったのに皆に悪知恵入れられて!
私の中でピュアな知り合いはもう一人しかいなくなってしまった……。もしも今助けに来てくれたら惚れるかもしれない。でも有り得ない。だって彼は他校の生徒だから。跡部と違って常識があるから、こんなところに来る訳がない。
「トリックオアトリート」
……なんだろう、彼のことを思い出したら幻聴が聞こえてしまった。うん、気のせい気のせい。だって手塚がそんな言葉知っている訳ないもの。もし来るなら助けに来てくれるはず、そんな呪文は必要ない!
無情にも現実は私を見放す。
「ほぅ、手塚も来たのか」
「帰りな、紫帆は俺と取り込み中だ」
「そんなことは聞いていない……紫帆、トリックオアトリート、だ」
再度冷静に言う手塚。悪魔の声がひんやりと耳に通る。
「やめて! 唯一の真面目キャラ手塚だけが私の心のオアシスだったのに!」
「俺だけがか? ふっ、安心しろ、俺にもお前だけだ」
手塚が壊れた! 己都合の良いところだけインプットしやがって!
私は何も言っていないのに、手塚からお菓子を押し付けられる。
私はそれを渋々受け取り、一つの妙案を思いついた。もうこれしかない!
「……お菓子をあげたら悪戯はないのよね?」
跡部から貰ったお菓子を真田へ、真田から貰ったお菓子を手塚へ、そして手塚のを跡部へ。
「こ、これでお菓子は渡したわよ!」
「「「………………」」」
「テメ、こんなんで納得するわけねえだろうが!!!」
「人から貰ったプレゼントを他人に渡すとは何と卑劣な! 見損なったぞ!!」
「貰ったものはもう私のものなんだから私の自由にしていいんですー」
「わー聞こえない聞こえない!」
ぴゅーぴゅー渇いた口笛と共に屁理屈をこねる。
「紫帆」
手塚の声が低い。手塚は怒鳴らないから逆に一番恐かったりする。
背筋が凍る。
「…………俺は最悪、4Pでも構わないんだぞ?」
「まじすんませんでした! なんで手塚がそんな単語知ってんの!! 私悲しい!」
「そうか……それもまあ仕方ねえな」
「紫帆が望むのなら俺も構わん」
勝手に外野が決定を下し、私は人生で最も速い走りを見せることになった。
その走りを見て翌日様々な運動部から勧誘されたのはまた別の話。
END
お下品な話ですがこのメンバーで3Pされたら本当に身体が壊れそう。でも管理人の中の真田はこういうことは嫌いそうなので安心してねヒロインさん!
20111031
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