止めれるものなら止めてみろ

「あ、周助!今日うちでごはん食べてくでしょ?」
「うん、お邪魔する予定だよ」

周助のおうちは両親がとっても仲良くてたまに二人でデートしてて
そんな日は我が家でご飯をたべることになっている
(デート…いいなぁ…私も白石君と…きゃあ私ってば!!)
(フフ、僕と一緒にいるのにいい度胸だね)


「なんか久しぶりだねぇ」
「中学に入ってからは初めてかな」
「ねぇ、終わったら一緒に宿題やろ!」
「そんなこといって、僕にやらせるつもりかい?」
「う…ち、ちがうもん」
「フフ」

身長も大きくなっても体つきも昔よりもしっかりしてきたけれど
ふてくされた私の頭をやさしく撫でてくれる手は昔から変わらない


「ただいまー」
「お邪魔します」
「お帰りなさい」

二人で家の門をくぐると表の庭にいたヒロ兄がお出迎えしてくれた
「さぁ二人とも、手を洗ってきてください」
「わかってるよ!もう子どもじゃないもーん」


食事の時間まで周助と少し宿題をやって
居間へ行くとみんなが揃っていた
「ほら、二人とも座って」
蓮母さんに進められて空いている席に座る
「マジ腹減った…早く食おうぜぃ」
目の前でブンちゃんがおなかをさすってる
(ベタ過ぎない?)

食卓に料理が並んでみんなで
『イタダキマス!』
今日のおかずのアジの開きはもう本当に美味しくて感動っ!!


「ナマエ、宿題出てるだろ?俺が教えてあげるよ」
右隣の精兄の声に顔を上げれば満面の笑顔が視界に飛び込む
(相変わらずきれいに骨を外すなぁ…)
「んーでも、宿題は周s「ん?」」
あれ、何か今急に気温が下がったなぁ…夕方だからかなぁ
精兄は相変わらず笑顔
ただ周りのみんなの静けさだけが異質だった
(ブンちゃんなんかいつもすごい煩いのに今は顔真っ青。体調悪いのかな?)
「宿題は俺が見てあg「精市さん、僕が教えるから大丈夫ですよ」」
精兄の声を遮ってそう言うのは私の左隣に座っている周助
(あれ、またなんか気温下がったな…)
(ブンちゃん大丈夫かな?と思って正面を見たら今にも泡を吹きそうな顔してた)
(面白い)

「俺が教えるって言ってるだろ。俺の妹なんだから」
「僕が教えた方が彼女のためにもなると思いますけどね。同じクラスだし」
「クラスなんて関係ないだろ。俺が変なこと教えるとでも思ってるの?」
「クスッ…そんなこと言ってないじゃないですか。一緒の授業受けてるんだからお互いに大事なところ教えあえるだろ察しろよ馬鹿ってことですよ」
「今一瞬だけ本音が出たよね本当に腹が立つよお前」
「その言葉そのままお返ししますよ。なんでナマエのお兄さんが精市さんなんでしょうねいやむしろそこで真っ黒いの全部吸い取ったからナマエはこんなに可愛い子で生まれたんでしょうねそこだけは感謝しますよ」
「本当にお前が隣に住んでるってだけでナマエには悪影響だからさっさとどっかに引っ越してほしいんだけど。あ、それとも俺の手でこの世から抹殺してあげようか?感謝してよ俺自ら手を下すなんてそうそうあることじゃないんだからねっていうかうちの妹たぶらかさないでくれるかなお前に手を出されるほど安い子じゃないし」
「俺はいつでもナマエ一筋ですけどね精市さんこそ妹離れした方がいいんじゃないですか」


「このシスコン」
「このストーカー」



アンド
幼馴染
争 奪 戦



(このやり取り全部あの笑顔(開眼済)でやってるからほんとそれだけで怖いよな)




(周助に可愛いって言われちゃった)
(お前、この状況でそこだけかよ)
(ナマエさん、私が宿題見ましょう)
(うん、ありがとうヒロ兄!)
(…赤也が恐怖で白目剥いちょるな…面白い)ピローン(写メとった音)
(おい…これ誰が止めるんだよ)
(がんばれジャッカル)
(俺かよ!)

(…飯くらい静かに食えんのか)
(まぁ、予想通りだな)





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