届かない想い
「なあ、鈴香【すずか】」
大好きな君がそう私の名前を呼んで。
「俺、ヒナが好きなんだ。
協力してくれない?」
大好きな親友の名前を愛おしそうに呼んだ。
「っ…うん、いいよ。」
そんな君の愛おしそうな顔を見たら、断れるわけなんて、なくて。
頷いていた。
「ありがとな、」
なんて言われてしまえば、わたしはきっとずっとこのままで。
どういたしまして、なんて言えないから、適当に笑ってごまかして。
嘘つき言葉、なんて何回も吐いてるくせに、今日はやけに苦しかった。
<この恋はきっと君に届かない>
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