▼ 11.告白
「先生、お話したいことが…」
オドオドした少女は伏せ目がちにそう告げる。
「わたしほんとは気付いてたんです」
思いつめたような声。
「でもずっと、自分にウソついて無理矢理見ないふりして…う」
ついに顔が歪む。
「ごめんなさい、こんなことで泣いちゃいけないのに…ううっ」
「だから何だ、さっさと言え」
呆れたように部屋の主は促した。
冷血ゆえのそっけなさか、それとも大人ゆえの余裕かは分からない。
どちらにしろ、彼の扱いによって、女生徒の繊細な心は虐げられてしまうことが予想できた。
彼女はこう叫んだ。
「ここに来てから3キロ太りました!」
「……………………それで?」
「それだけです!じゃっ!!」
出て行った5分後、ようやくスネイプは石化状態から復帰する。
彼はのろのろした動きで棚の3段目にあった小さな薬瓶を手にとり、なんとも奇妙な顔で、穴が開くほど見つめた。
翌日レイは薬学研究室に呼び出された。
3時間の説教を喰らって帰ってきたレイにみんな励ましの言葉をかけたが、
にこにこ微笑む彼女のフェイスラインがすっきりしていたことには、意外と誰も気付かなかった。