好きな子にはついつい(銀妙+攘夷)



※ちっこい銀さんとちっこいお妙さんとちっこい攘夷のパロ


「もう!どうしていっっつもそうなの!?」

「うるせーな!俺の勝手だろ!」

「あなたの勝手で迷惑かかる人がいる事考えてるのかって聞いてるの!」

「お前が勝手に、首突っ込んできたんだろーが!」


長年人の手が入らず朽ちてしまった民家の前で、少年と少女がケンカをしていた。
勝手を強調させて言う銀時と、ひとつ年下の妙。
ぐぬぬ、と銀時と妙は顔を合わせ睨み合った。
二人は頭に大きなたんこぶを作っている。


「あ、いたいた」

「おーい!金時〜、妙ちゃ〜ん!」


二人を呼ぶのは桂と坂本、そしてその後ろには一歩距離を置いた高杉。


「またケンカか……今度は何やらかしたんだ」

「うるせーな、お前には関係ねーよヅラ」

「ヅラじゃない桂だ。お前はともかく、なぜ妙殿の頭にまでたんこぶができているのだ」

「聞いてよみんな。銀時君が危ないから入っちゃいけないって言われてるあの空き家に勝手に入ったのよ!」

「それを注意しにきたお節介も一緒に怒られたってわけ。マヌケだよなー」

「銀時君が全部悪いんじゃない!」


顔を赤くさせ眉をつり上げ、妙の目はうっすらと潤んでいた。
今にも零れそうだ。


「おい、妙。さっき新八がお前のことさがしてたぞ」

「え……?」

「半べそかいてたし、早く行ってやれ」

「あ……うん……」


ごしごしと、妙は涙を拭う。


「……泣き虫姉弟」

「……っ、何よ、銀時君だってさっき涙目だったくせに!」

「俺のは痛みでちょっと涙出ただけで、お前らとは違うんだよ」

「……減らず口ばかり!銀時君のばーか!」

「お前のが減らず口だろーが!」


べー、と舌を出して妙は走って行ってしまった。
その背中にいつまでも悪態をつく銀時の頭を、桂がゴンと殴る。


「まったく。女の子泣かせるお前は最低だな」

「好きな女の子をいじめたくなる。気持ちは分かるがのォ〜。しっかし高杉は優しい男で……プッ、いい奴じゃ〜!」

「うむ。妙殿の気持ちを落ち着かせるには新八君が一番だからな、ブフッ」

「オイ。今何で笑った」


ガッ、と高杉は桂と坂本の胸ぐらを掴んで揺さぶる。
その様子を、銀時は面白くないような顔で眺めた。
好きな女の子。そこに反応しようとしたのだが、反論する前に矛先が高杉に向いたせいで消化不良に終わってしまったからだ。


「……ちっ」

「何だ銀時。妙殿の中で高杉の株が上がった事でも危惧しているのか?」

「いじめる天パよりクール気取りの高杉」

「そこの黒い毛玉。白毛玉と一緒にぶっ殺されてーのか」

「勝手ばっか言ってんじゃねーよ!」


怒鳴る銀時に。一番勝手はお前だろ、という三人のツッコミは同時だった。



ーーーー
ちっこいの書きたいな〜と思って。
幼少時代はお妙さんも新八と同じように泣き虫だったという事で、この頃はよく泣いちゃう女の子だけど、高校生くらいになると涙を見せなくなったお妙さんを気にかける銀さん。
というのを考えて書いた話。
……そこまで書く余力はなかったのです(苦笑)


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