クーデリア→三日月←ハッシュ
2017/02/13

ここ最近、全然話せていない。話しかけているはずなのに。
どうしてだろう?

「あ、三日月」
「ん……クーデリア。仕事は平気なの?」
「ええ。今日は農場の方のお手伝いに。気分転換にもなりますから」
「そっか。気分転換になってるならよかった」
「それに……三日月とも……お話したいなと……」
「俺と?そういえば、会ってるのにあまり会話してない気がする」
「そう!そうなんです!私もそう思ってて……!」

三日月も同じことを感じていた。それだけで嬉しくなる。

「あ、あの、三日月……」
「三日月さーん」
「ハッシュ?」

割り込んできた彼は真顔で、何を考えているのかはわからなかった。
けれど、気づいた。あまり話せていない気がした理由に。
いつも彼が割って入ってくるからだ。

「さっき団長が三日月さんのこと捜してましたよ」
「オルガが?なんだろ……ごめんクーデリア。また」
「いえ……ではまた」

遠ざかる三日月を見つめていると、ふと、彼と目が合った。
彼の表情は相変わらずで、何も読み取れない。
けれど、何かに気づきかけた。

「ま、負けません!」

思わず出た大声に三日月が何事かと振り返る。
彼も目をぱちくりと瞬かせる。

「俺もアンタも、団長には敵わないと思うけど」

彼が不敵に笑うから。
負けませんと、もう一度、力いっぱい叫んだ。




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