オルガ+クーデリア+ユージン
2017/01/08

渡された紙切れ一枚。けれど、とても重く感じる。理想と現実が近づいている気がしなくて。

「どうした?」
「あ、すみません。ぼんやりして……」
「疲れてんじゃねーの?アンタもずっと働きっぱなしなんだろ?」
「私は大丈夫です。では、オルガ団長。確かに確認しましたので」
「ああ。悪いな、アイツらの金の管理してもらって」
「いえ……私にできることなら」

お金の使い方がわからない。これが今の彼らの実情。
決して目を背けてはいけない現実。

「副団長はお金は何に使ってるんですか?」
「え、オレ?オレは……まあ、色々……。何で?」
「三日月たち、私にお金を預けたまま使おうとしないので……」
「ああ……そういう……。確かになぁ……オルガはどうなんだ?」
「オレも参考になるような使い方しちゃいねーよ」
「……この世界が変われば三日月たちも変われるかしら……」
「クーデリア、あんまり気張るなよ。金の使い方なんてそのうち覚える。急いても仕方ねぇよ」
「それお前が言うか……」

そのうち覚える。そうなのかもしれない。文字をひとつひとつ覚えていったように、きっと、そのうち。
けれどそれは、いつなのだろう。
早く、早くと焦りばかりが募っていく。鉄華団もクーデリア自身も、激動の中大きなものを掴み取ったはずなのに。何も変わっていないように思えてならない。

「なあ、プレゼントとかどうだ?」
「え?」
「自分のために金が使えないなら、誰かのために使えばいい。世話になってる人に贈り物でもしてみればいいんじゃないか?」
「なるほど……!それなら皆さんもお金を使うはずです!」
「どーしたユージン……!いきなりそんなこと言うなんて」
「ふ、オレは副団長だぜ。アイツらのことならよく理解してる。ま、贈り物のセンスはどうだかわからんが」
「ありがとうございます!さっそく三日月たちに提案してきます!」

ひとつひとつ覚えていくこと。
きっと、先の未来に繋がるはずだ。
そう信じて進むしかない。もう決めたことだから。




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