本編 | ナノ

リング編


『ただいま〜すごいご馳走だね』
「あ!夢月!大変だよ!父さんが帰ってくるんだって!」

帰ってきた夢月にツナが駆け寄る。

『…へぇ。生きてたんだ。』

そんな綱吉に夢月は冷たく返す。
二人の会話に気がついたのか、台所にいた奈々が顔を出した。

「あら、ちゃんと仕事してたのよ?」
「納得できねー!!」

にこにこと笑いながら言う奈々に綱吉がツッコミを入れる中、夢月は無表情を貫いていた。
夢月にとって、「父親」という存在はどうでもよかった。はっきり言って、「大嫌い」だった。

「石油出んのかよここーーー!!!」
『出そうにはないねぇ。』

そう。夢月は父親が大っ嫌いだった。どこが嫌いと言われると、掃いて捨てるほどに嫌なところが浮かんでくるほどだ。
たとえば、苦しい言い訳の方法しか思いつかないところ。
たとえば、マフィアのくせに家族にいいところだけを見せようとするところ。

そんなところがヘボい人間くさく夢月は父親という存在が大っ嫌いだった。


   拝啓、大嫌いなお父様へ
(大っ嫌いです、偽善者サン?)(ろーとタマに嫌われるなんてかわいそうな人間レロ)

[*前] [次*]



[戻る]
- ナノ -