本編 | ナノ
イタリア旅行編
ぐてぇー、と履いているワンピースがめくれるのも厭わず夢月はベットに寝っ転がる。
夢月は暇だった。
「私」の記憶が合っていれば黒曜編とリング編の間ぐらいなのだが。自分は何をしようか。
まぁ、どうせボス補佐になるのは決まってるのだが。
『ねぇ、レロぉ〜』
ベッドに寝っ転がったまま夢月はレロに問いかける。
「なんレロ?ろーt…夢月タマ。」
ロード、と言おうとした言葉は夢月の黒い笑みに遮られた。
自分の今の名前を言ったレロに満足そうに頷きながら夢月はレロに問いかける。
自分は千年公の剣を使えるのか、と。
前、レロは半ばロードの物だったが、所有権は千年公にあった。
だが今、レロは自分のものだ。つまり千年公の剣も自分の所有物。
所有権の移行に伴い、剣の使用権も移ったのか、と夢月はレロに問いかけた。
「一応使えるレロ。」
『ふ〜ん』
夢月は目を煌めかせ、妖しく笑った。
『ねぇ、レロぉ』
先ほどの質問に答え、夢月の妖しい笑みに冷や汗を流していたレロは夢月の方を見る。
「な…なんレロ?夢月タマ」
『イタリア、行こっか♪』
唐突なその夢月の言葉にレロはびっくりしたように体を跳ねさせた。
「な、なんでレロ!?」
『だってぇ〜ヒマなんだもん』
「ろーとタマは行動が突飛過ぎるんレロ!!だから伯爵タマに怒られるんレロよ!?」
『千年公はボクのこと怒んなかったよぉ』
よっこいしょ、とベットから起き上がりレロの頭を鷲掴みにしながら夢月は部屋を出て行った。
Go to イタリア♪
(お母さん、友達の家に行って来るね。もしかしたら一週間ぐらい帰ってこないかも知れないけど。)(あらあら。仲がいいのね。行ってらっしゃい。)(夢月タマのお母タマは甘すぎるレロ…)
[*前] [次*]