私には彼氏がいる。 最近付き合ったばかりだ! 聖マリー学園中等部2年生の樫野 真。 私と同い年だけどでも、学校が違う。 チョコレートを用いたスイーツが得意らしくっていつか自分のお店を出すんだって! でも今日はお祭り。 初デートがお祭りとか嬉しい!! ばっちり浴衣できめた。 えへへ、どんな反応するかなー? なんて思っていると樫野が走ってきた。 「悪ィ、待たせた」 「ううん、全然待ってな…あれ?」 えー…と…? なんで武藤とか花房くんがいるの??! 「あ、の…今日デートなんじゃ…?」 「いや、その…どうしても着いてくるって…悪ィ」 本気でしょんぼりしてる。 むーしょうがない…。 安堂くんはいつも通りだ。 でも…花房くんがなー…。 「陸乃ちゃん、これどうぞ!」 バラの花束を差し出す花房くん。 「オイ花房、テメェ…」 「まぁまぁ樫野くん、ただの挨拶挨拶♪」 樫野が花房くんを睨む。 とりあえず花束をもらっておく。 どうしよう…。 「出雲さんの浴衣すごく似合っているよー」 あぁ…その言葉は樫野に言ってほしかったよぉ安堂くん…! 「あ、ありがとう…」 チラッ樫野を見ると不機嫌そうだった。 あ、樫野もちゃんとデートしたかったのかな…? とりあえずお祭り会場に移動することになった。 「すっごい人だぁ!」 「迷子になりそうだね…」 なんて話していたらすごい人集りが押し寄せてきた。 「うわっわぁぁあ…」 「陸乃!!」 「陸乃ちゃん?」 「出雲さん!!」 三人の声が聞こえた。 でもこの勢いに押され、よろける。 ―ギュッ 転びそうだった私を抱きしめてくれた。 「ありがとう樫野…あ」 顔を上げると樫野じゃなかった。 「僕でごめん」と申し訳なさそうに笑う安堂くんだった。 「あ、いや…その、ありがとう」 「う、ううん(抱きしめちゃった///)」 とりあえず人気のないところに移動して樫野たちに電話する。 山奥だったため、電波が県外で繋がらなかった。 「どうしよう…繋がらないよぉ…」 「だ、大丈夫、なんとかなるよ!」 ―ナデナデ 少し不安になる私の頭をなでながら励ましてくれた。 少し落ち着いた。 「もうすぐ花火の時間だし、人も少なくなったかな?」 と言って、さっきの道に戻ろうとした。 「待って」 ―グイッ 手首をつかまれ、立ち止まった。 振り返るとうつむく安堂くんがいた。 「安堂くん…?」 「やっぱり…だめだ…」 「へ?」 ―グイッ 「わぁっ」 肩をつかまれ寄せられる。 要するに抱き寄せられてしまった。 「安堂く、だめ…」 「やっぱり…諦められないよ…」 「安堂くん…」 「出雲さんが樫野を好きでも…」 私の肩に回っている腕の力が強くなる。 顔は見れないけど声が少し震えている…。 ガバッと顔をあげる安堂くん。 その顔は真っ赤だった。 「それでも、僕は陸乃が好きだ!!」 「っ///」 ど、どうしよう!! とんでもない状況だ/// なんで急に、それに私には樫野がいるのに… 「困るよ…私、樫野以外見れないよ…」 「…それでも、僕は好きだから」 ―クイッ 腕を引かれて歩きだす安藤くん。 少し早足だ。 私は…何もいえなかった。 無言のまま少し歩いていると安藤くんが立ちとまった。 「花房ァ!」 大きな声をだす。 びっくりして顔を上げると遠くに花房くんの姿を見つけた。 安堂くんの手はいつの間にか手は離れていた。 「安堂くん、陸乃ちゃん!大丈夫だった?」 「僕らは平気だよ、それより樫野は?」 「それが…君らを探しに行っちゃったんだ」 「…そうか、じゃあ二人はここにいて!僕探してくる!!」 「え、僕も行くよ!」 「出雲さんを一人にできない、待ってて」 と、言って私と花房くんを残して安堂くんは人ごみの中へと消えていった。 ちょっと気まずかったから少し助かった。 「…安堂と何かあった?」 「!」 花房くんがポツリとつぶやいた。 な、なんでわかるの?! 「…告白されたの…」 「だろーね、変だもん」 「そう、かな」 やっぱりいつも通りなんてできない。 今だってドキドキしている。 どうすればいいのか、わかんないよ…。 「…樫野になんて言えばいいの…」 ―ギュウ まただ。 また抱きしめられた。 「…僕もキミが好きだよ」 「ッ」 なんで、なんで皆して…。 だめだよこんなの…。 もうわかんないよ…。 「…陸乃ちゃん?」 「もう…わ、わかんないよッ…」 「陸乃ちゃ…」 「わた、しは…樫野が好き、だもん…助けて…わかんないよぉ…樫野ぉー…」 ついに泣き出してしまった。 それをみて花房くんはかなり焦っていた。 「陸乃…?」 聞き覚えのある声がした。 樫野だ。 今は会いたくなかった…。 「なんで…泣いてんだよ」 「ち、ちがッ…私が…かって、に…泣いたの…」 「んなことあるわけねェだろ!!おい花房ァ!!!!」 花房くんにつかみかかる樫野。 止めなきゃ、止めなきゃ!! 「違うの、違うの…!!」 「…俺らが告白したんだ」 花房くんが私の前に出た。 安堂くんも一緒だった。 「俺の彼女だぞ…?」 "彼女"と言う言葉にドキッとした。 嬉しかった。 「…う、うぅ…樫野ぉーっ」 「うわッ」 ―ガバッ 思わず抱きついてしまった。 「なんだよ急に…」 「やっぱり、私…樫野が好きだよぉ…樫野じゃなきゃ駄目だよぉ!」 「なっ///!!?」 顔を真っ赤にした樫野がまんざらでもなさそうに撫でてくれた。 機嫌は直っていたようだった。 「…あ、安堂くんも花房くんも!!もう惑わされないんだから!私は樫野一筋なんだから!!」 「悔しいけどそうみたいだね」 「でも、俺らは諦めないから!」 「樫野!ちゃんと幸せにしろよ!」 「…当たり前だろ」 なんていいながら安堂くんと花房くんはどこかに行ってしまった。 やっと…二人きり…。 「あー…も、もうすぐ花火だな」 「う、うん///」 急に二人きりになると、変に緊張する。 「あのさ… ―ドォオォォォオォォオォン だよ!」 丁度花火の音とかぶり樫野の声が聞こえなかった。 「ごめん、もう一回」 「絶対ェやだ!!この距離だし聞いてろよ!!」 「えー…」 「あー…クソッだからァ…」 ―グイッ 「好きだよ」 「っ///!!」 ―ドォオォォォォォォォオオォン 抱き寄せられ耳元で言われる。 今度はちゃんと聞こえた。 二人で顔を真っ赤にし、無言で空を見上げた。 ―ドォォン 最後の花火が綺麗に咲いて、ソッと消えていった。 「終わっちゃったね」 「…そうだな」 「かえろっか?」 「あぁ…」 「樫野?」 「それさ、」 「え?」 「苗字呼びじゃなくて…その、名前で、呼べよ」 「え、えぇ///?!」 「いいじゃん、ほら…?」 「…ま、こと…///?」 「…んっ」 ―ナデナデ 満足そうに笑って頭をふわふわ撫でる。 「真、また…遊びに行こうよ」 「今度は二人きりでな!」 「うんっ!」 君との距離が少し縮まった気がした。 (ふられちゃったねー) (まだ諦めてないよ) (僕だって!あー、今何してるのかなー?) (…キスとかしてたりして) (っ///?!) ----あとがき---- 眠たい中作ってしまったからとんでもなく意味不な文章になってしまった。 そして"グイッ"とか"ナデナデ"とかの表現がクソ多い(笑) ごめんなさい!! そんでもって夢パティ一期しか見てませんorz やっぱり樫野が好きだ!! こんな文しかかけなくて本当にごめんなさい! またのリクエストお待ちしております;; 花火の前の涙 |