黄色い奴ら | ナノ

PCは大切に


「ついに買っちゃったぁ鏡音リンレーン!」





 嬉しすぎて部屋にて独り言。
楽しみだったんだぁ、ついにきちゃったよマイボーカロイド♪
歌もちょっと考えてたしーっ!





「さっそくインストール!」






 まだかなまだかなー♪
まだかなまだかなまーだーかーなー♪





 え、マジでまだ?
早くしてよー!!!






―バンバンバン






「早くしなさいよ馬鹿PC!なんのために高スペにしたと思ってんのよ!!!」




 手が痛くなったがまぁいい。
早くしろ、リンもレンも私を早く待っているんだろ?!





「遅いよ馬鹿ッ麦茶温くなっちゃったじゃんか!!」





―バンバンバン





『うるせー』





―バンバンバン





『うるせェッッ!!!!』


「うわぁっ?!」





 突然PCの画面に言葉が表示された。
「え、なにこれ…バグ?」


『バグじゃねェよとりあえず早く起動させろ』


「は、はい…」





 なんか怒られた…(泣)
急いでインストールされた鏡音リンレンを起動させる。
おぉ…お?





『PC叩いたら俺らまで壊れるだろッッ!!』


「あれ…えーと…リンちゃん?」


『あぁ?リントだよリ・ン・ト!!!』





 あれ、おかしくない?
あれ、なんでリンちゃんもレンくんもいないの?!
なんでリンちゃんみたいな口悪い少年がいるの?!





「り、リントくん…?」


『なに、なんか文句でも?』


「いやぁ…リンちゃんやレンくんは…?」


『レンならいるがお前がバシバシ叩くからフリーズしてる』


「え、私のせいですかね?」


『お前のせい』


「え、どうしたらいいの?」


『知らない、放置すればいんじゃない?』





 ごめんねレンくん(泣)





「リントくんがいるってことは、リンちゃんはいないの?」


『いねぇな』


「そっかぁ…」





 男の子いっぱいだな。





『…悪かったね、俺で』


「え?」


『リンのがよかっただろ』


「そんなこと『ある』…」


『無理しなくていーから…わかってんから』






 なにか言ってあげなきゃと思った。
けど…何を…?





「あ、の…」


『いいよ変な気使うな、お前名前は?』


「え、あ!えと椎名向日葵です…」


『ふーん向日葵ね』





 あれ、ボーカロイドって"マスター"呼びしてくれるんじゃないのかな…あはは…。





『あの、マスター…』





 そうそうこんな感じでマスターって…。
え?





「あっレンくん!!」


『あ、はい…えと、マスターですよね?』


「うん!」


『よかった、マスターこれからよろしくお願いします♪』





 これこれこれ!!!
私の想像してたボーカロイドはこれだよ!!!
レンくん可愛いなぁ…。





『おい向日葵、早く歌わせろ』


『ちょ、リント!!』


『いい子ちゃんは黙ってろ』


『だめだよ!!マスターを呼び捨てなんて…!!』


「いいよいいよレンくん」


『で、でも…』





 表情がしょんぼりする。
優しい子なんだな。





「それより歌…なんだけど、まだ、未完成で…」


『ハァ!?俺らを注文してから結構時間あっただろ!?』


「ご、ごめんなさい、難しくって…」


『リント!!!マスターは悪くないです、ゆっくりマスターらしく作っていきましょう♪』





 れ、レンくんはなんていい子なんだ…!!!!





「ありがとうレンくん、頑張るね!!」


『僕ら横で応援してますから!』


『早くしろよな』


「うん!」





 なんだか、すごい展開だけど頑張っていこう!!
わかんなければggればいいしね♪
でもリントくんってどんな声なんだろ…?





(向日葵、腹減った)
(…)
(どうしたんだよレン)
(名前呼び、いいな…)
(…w)


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