■30 ヘアピン嫉妬
(雪→燐?)
「…兄さん、勝呂くんから借りたヘアピン、返してないよね…」
「ん?うん、だってアイツも返すのいつでもいいって言ってたしさ」
「…結構頻繁に使ってるよね」
「便利だし。…なんで?変かよ?別にいいじゃん、雪男の前くらいでしか使ってねーし」
「…そうかもしれないけど…。それはそれであんまり(僕の前でだけおでこ見せてくれるのはいいんだけど、使ってるヘアピンが勝呂くんのだと思うと…いや別に勝呂くんに変な気持ちがあるんじゃないかとか疑ってはいないけど)」
「それともお前も使いたいの?」
「そうじゃないけど。…あのさ、これとか使う?」
「…ん?なにこれ、……女子が使うような飾りのついたヘアゴムじゃん…」
「ほら、ピン忘れた時とか代わりにそれで前髪縛ったら。ゴムは腕につけておけるしさ」
「おー。…しっかし、可愛いの持ってんな」
「(恥ずかしかったけど雑貨屋で勇気出して買ったからね…)うん、でも明るい色だし兄さんに似合うよ」
「そっかー?じゃあ今つけてみよ……っと」
「…兄さん、何か…その縛り方、昔の時代劇の子役みたい…」
「なんだよ、似合わねえってことかよ」
「あ、いや、そうじゃない、…えーと、ちょっと貸してみて」
「いでででっ、そんな髪引っ張んなよ、抜けるっ」
「はい、できた。鏡見てみてよ」
「……うん、まぁ普通だけど。…女子みたいじゃね?」
「大丈夫、それなら似合うよ」
「そっかー。んじゃこれたまに使うな!さんきゅー雪男」
「よかった(できたらそっちメインで使ってくれたらな…)」
「…何か嬉しそうだな?」
「ううん、別に」
<軽く嫉妬してたらかわいい。おわり>
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